アマチュアプログラマに食指を伸ばすマイクロソフト

Martin LaMonica(CNET News.com)2004年06月29日 21時16分

 Microsoftは、まもなく登場するSQLサーバデータベースの無料バージョンを含む一連の新開発ツールを使って、アマチュアプログラマーにアピールしようとしている。

 同社は現地時間29日、アムステルダムで開催中のTechEd Europeカンファレンスで、「Express」というブランド名を冠した一連の新開発ツールを発表した。同社のVisual Studio製品およびSQL Serverデータベースの簡易版にあたるこれらの製品は、学生や愛好家の間でMicrosoft製品を普及させる狙いでつくられたものだ。

 Microsoftの幹部らは、「SQL Server 2005」と「Visual Studio 2005」のベータ版がもうすぐリリースになることも認めた。なお、それぞれの完成版は、来年の前半に登場すると見られている。

 Microsoftは、Visual Studio 2005とSQL Server 2005のベータ版の発売に合わせ、Express製品もリリースする予定だ。このシリーズには、「Visual Basic」や「Visual C#」「Visual C++」「Visual J++」製品の簡易版が含まれる。また、同社は無料の「SQL Server Express Edition」もリリースする。さらに、「Visual Web Developer 2005 Express Edition」という新製品の価格は、数十ドルになるだろうと、Microsoft開発部門マーケティングディレクターのJohn Montgomeryは述べた。

 Montgomeryによると、Microsoftは、ビジネスアプリケーションを構築するために格安のツールや無料ツールを求めている大勢のアマチュアプログラマーに狙いを定めているという。600万人いると言われている専門プログラマーに対し、同社では1800万人のアマチュアプログラマーがいると見込んでいる。こうしたアマチュアプログラマーは、多くの場合FrontPageやMacromedia Flashのようなウェブ指向のツールを使用するが、これらはフロントエンドのデザインには適しているものの、データベースを使ったビジネスアプリケーションには適していないと同氏は説明している。

 同じく来年リリース予定の「SQL Server 2005 Express Edition」は、1基のサーバプロセッサ、1Gバイトのメモリと400Gバイトのストレージに使用環境が制限される。だがMicrosoftは、同データベースはこのような制限があっても、MySQLのようなオープンソースの代替品と十分に競争ができると考えていると、SQLサーバ部門で製品管理ディレクターを務めるTom Rizzoは述べている。

 Express版によって、開発者はVisual Studioを使い、異なるプログラミング言語で「ストアードプロシージャ(stored procedures)」を開発でき、XMLをデータタイプとして格納できる。しかし、Express版にはレポート機能がなく、SQL Serverの完全版に付属している管理ツールは含まれないと、同氏は述べた。

 Microsoftはまた、AmazonやeBayとの契約についても発表する予定だ。この契約により、Microsoft製品を使う開発者は、Amazon、eBay、PayPalウェブサービス用のソフトウェア開発キットを、ウェブからダウンロードして使えるようになる。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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