トレンドマイクロは2月4日、2004年12月期連結決算と今後の事業展開について発表した。
通期の売上高はエンタープライズ分野が好調で、620億4900万円と前期比29%増加した。営業利益は260億7800万円と同72%増加した。
併せて発表された2004年第4四半期(10〜12月)決算は、売上高が177億3500万円と前年同期比32%増加して、四半期では過去最高を記録した。売上原価が減少したことなどから、営業利益は78億8000万円と同50%増加と大幅に伸びた。その結果、営業利益率は44%で、売上高と同様に過去最高だった。
2005年の戦略としてエバ・チェン代表取締役兼CEOは、「新製品の発売やオペレーションの効率化、パートナー企業との連携によってエンタープライズ分野を強化する」と語った。トレンドマイクロは、シスコシステムズの自己防衛型ネットワーク構想「Network Admission Control」(NAC)に対応した「ウイルスバスター・コーポレートエディション」を2004年9月に発売している。2005年は、このNAC対応ソリューションの展開をさらに本格化させていく構えだ。
右より、トレンドマイクロ エバ・チェンCEO、マヘンドラ・ネギCFO、大三川彰彦執行役員 日本代表 |
この一方で、マイクロソフトが1月6日にウイルス駆除ツールを無償配布すると発表したが、これについて同CEOは「マイクロソフトの参入は脅威ではない。トレンドマイクロは適切な価格で多機能な商品を出して対抗する。マイクロソフトはユーティリティ・ソフトウェアと位置づけているが、トレンドマイクロはセキュリティ・サービスを展開している」と自信を見せた。競合するであろう同社のコンシューマ向け製品の売上高は、全体の2割程度となっている。
こうしたことを踏まえ、2005年第1四半期決算の予想も発表された。コンシューマ製品の成長鈍化により、売上高は前年同期比20%増加の163億円と伸び悩む見込み。また、業容の拡大から従業員数やマーケティング費用の増加が予想されるため、販売管理費は直前四半期の91億9600万円に対して92億円程度と同額を予想しているが、売上高に占める販管比率が52%から56%程度へと増える。その結果、直前四半期に大きく伸びた営業利益は、前年同期比21%増加の62億円と伸びが鈍化する。そして、過去最高となった営業利益率も44%から38%へ減少する。
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