Oracleは米国時間26日、半年に1度のアナリスト向けの説明会を開いたが、このなかで同社はPeopleSoft製品の統合から、コラボレーションソフトウェア市場への参入計画まで、今後予定しているさまざまな計画の概要を明らかにした。
この記者会見に先立ち、同社は2006年度決算がアナリストの利益予想を上回る見通しであることも発表した。これについて、Oracleが元ライバルのPeopleSoftを103億ドルで買収した成果だとするアナリストも少なくとも1人いた。
「われわれは、いくつかの分野におけるポジションを確実にするためにPeopleSoftを買収した。これで、われわれは北米市場でナンバー1のアプリケーションベンダーになった」とOracleのCEO、Larry Ellisonは述べ、さらに「アプリケーションベンダー各社の強みは業界や国ごとに異なる。われわれは、エネルギー業界や自動車業界でSAPと張り合おうとは夢にも思っていない。また、彼らとドイツで競合するような無駄なこともしない」と語った。
その代わりにOracleは、現在2番手に甘んじている市場で首位の座を手に入れるための取り組みに集中し、またすでに市場をリードしている分野に資源を投入していく、とEllisonは述べた。
同氏は一例として、現在はIBMが市場をリードし、BEA SystemsとOracleが2位の座を争うアプリケーションサーバ市場を引き合いに出した。
「2年前は、アプリケーションサーバ市場に全く食い込めていなかった。だが今では、BEAと同点で2位か、それに近い位置にいる」とEllisonは述べ、さらに「ナンバー1になれると確信している」と付け加えた。
PeopleSoft買収をめぐる連邦政府の独禁法訴訟に関連して、Oracleが昨年法廷に提出した文書によると、同社はかつてBEAの買収を検討したことがあったという。2003年春に作成されたこの文書には、潜在的な買収候補としてOracleの取締役会が検討するための企業一覧も記されていた。
Ellisonはこの日、次の買収候補としてBEAを名指しすることはなかったものの、Oracleがアプリケーションサーバ市場での首位奪取に役立つ戦略的買収に関心を持っていることを明かした。
「買収も、事業を拡大するための方法の1つだ」(Ellison)
同氏はまた、PeopleSoftの統合に関する同社の計画を改めて説明した。それによると、Ellisonは今後「Project Fusion」の開発に重点的に取り組むことになるという。Project Fusionは、PeopleSoft、J.D. Edwards、Oracleの開発チームが、初めての共同で開発を行うビジネスアプリケーションとなる。
またOracleは今年、コラボレーションソフトウェア市場への参入も計画している。同社は、コンテンツ管理、ウェブ会議、VoIP、カレンダー/スケジューリングなどの各機能を自社のリレーショナルデータベースに搭載することを検討している。
Ellisonは、コラボレーションソフトウェアの分野には数十億ドル規模の市場があるとし、そのなかで--特にコンテンツ管理製品の分野では、Oracleが有力なプレイヤーになれると述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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