Oracleは14日(米国時間)、PeopleSoftの買収コスト103億ドルを捻出するため、社員5000人のレイオフ計画を発表した。
Oracleによると、「今日(14日)から通知を開始し、向こう10日以内に大半が終了する」という。
PeopleSoftが全世界に抱える1万1000人以上の社員が、Oracleによる大量解雇の対象になるものとみられる。Oracleは週末にかけて、自宅に国際スピード郵便(EMS)を送付する方法で、PeopleSoftの多くの社員に解雇を通知したと見られているが、ある人事の専門家はこのようなOracleのやり方にまゆをひそめている。
Oracleは14日に買収契約を締結したが、予想されていた通り、そのわずか1週間後にはこのレイオフ計画が発表された。PeopleSoftは1年半以上もの間、Oracleによる買収に必死に抵抗し続けた。その間、法廷闘争が2度行われ、またOracleのCEO、Larry EllisonがPeopleSoftの営業停止と同社製品の製造中止を公言するなど、両社の間では激しい抗争が展開された。
当初、両社間の抗争が激化したが、Oracleはその後、態度を軟化させた。同社は、PeopleSoft製ソフト製品の技術サポートを向こう10年間継続することと、PeopleSoftが開発中の新版ソフトを完成させることを公約したのだ。Oracleは14日、その公約を履行するため、製品開発/製品サポートに従事するPeopleSoftの社員の9割以上の雇用を継続すると発表した。
「PeopleSoftの技術スタッフの大半を雇用し続けることにより、Oracleは過去1年半に渡りPeopleSoftの顧客に公約してきた、開発とサポートに関する責務を全うする」とEllisonは述べた。
今回の解雇者の人数は、一部のアナリストの予想を上回った。一部のアナリストは、当初のレイオフの規模は、3000人〜4000人と予想していた。Oracleは当初、解雇者は6000人に上ると予測し、2004年6月に行なわれた反トラスト訴訟でもその数字を述べていたが、アナリストらの予測はこの数字を下回っている。
しかし、Oracleが製品開発の公約を果たせば、さらなる解雇者が出る可能性があるとSG CowenのアナリストDrew Brosseauは指摘する。
Brosseauは「誰もが大規模な人員削減を予測していた」と述べた上で、次のように続けた。「しかし、Oracleが一部のPeopleSoft製品の完成/販売を公約しなかった場合に比べれば、より多くのPeopleSoft社員が解雇されずに済んでいる」
別のアナリストは、自らの意思で辞める人もいるため、PeopleSoftを去る社員の数はさらに増える可能性がある、と指摘する。「向こう2週間の展開は大変興味深い」と語るのは、調査会社AMR ResearchのアナリストBruce Richardsonだ。「(Oracleのライバル企業である)独SAPや、より小規模な企業からの大勢のリクルーターが優秀な人材の獲得に乗り出している」(Richardson)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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