Solarisオペレーティングシステム(OS)のオープンソース化に向け第一歩を踏み出したSun Microsystemsが、さらにサーバソフト製品のオープンソース化も検討していることを明らかにした。
Sunのソフトウェア担当エグゼクティブバイスプレジデント、John Loiaconoは米国時間25日に行なわれた記者との電話会議の中で、同社がサーバソフトJava Enterprise System(JES)のオープンソース化を検討していることを明らかにした。「(JESのオープンソース化については)現在、綿密に検討を行なっている。それは間違いなく我々の利益につながる。」(Loiacono)
予想されていた通り、Sunは25日にOpenSolaris.orgのウェブサイトを開設し、オープンソースソフトとして間もなくリリースされるSolaris 10のコンポーネントであるパフォーマンス分析/デバッグツールDynamic Tracingを公開した。さらにSunは、同社が保有する1600以上の特許を誰でも自由に使えるようにすると発表した。IBMも2週間前に、同社が保有する500件の特許をオープンソースプログラマーが自由に使用できるようにしたが、Sunの公開する特許の数はIBMを大きく上回る。
「Sunは、コミュニティによる開発とオープンソースの最良の友としての地位やイメージ、評判を回復したいと考えている」と述べ、さらに「SolarisとOpenSolarisに関しては、期待されていたことはすべて行ない、さらにそれ以上のことを行なったと自負している」とSun CEOのScott McNealyは語った。
Solarisのオープンソース化に向けたSunの取り組みは、Linuxからの競争圧力に対するSunの対抗策であるというのが大方の見方だ。Linuxの開発者数は、ボランティアとプロを合わせて数千人を数える。サーバソフトに関しては、IBM、Microsoft、BEA Systemsなどから、SunのJESに対抗する製品が数多く出されている。JESは現在、ウェブページのホスティング、電子メール管理、パスワードのトラッキング、Javaビジネスソフトの実行といったタスクに利用されている。
Sunはすでに、ライバル各社の製品を好んで使用してきたユーザーを引き付けるための積極的な行動に出ている。なかでも注目すべきは、従業員の人数に応じて課金する料金システムだ。このシステムは、企業/組織が従業員1人あたり年間100ドルを支払うと、同社の特定のソフトが使い放題になるというもので、この料金システムにより顧客企業はSunの競合他社の製品を使う場合に比べ、大幅なコスト削減が可能になる。
「Sunのこれまでの動きを考えると、JESのオープンソース化は確かに理にかなっていると言えるだろう」と語るのは、調査会社Summit Strategiesのアナリスト、Dwight Davisだ。「Sunは製品の価格をますます引き下げてきており、なかには無料で入手できるものも出てきた。また、ライセンス条件もとても魅力的だ」(Davis)
これまでのところ、Sunの取り組みは市場を支配するライバル各社にダメージを与えるには至っていない。SunのJonathan Schwartz社長は今月、同社がJESを企業全体だけでなく、企業内の部門や部署といった一部の従業員向けに販売することも検討していると述べていた。
しかし、オープンソース版JESのリリースは当分先の話になりそうだ。Loiacono はその理由について、Sunはオープンソースプログラマーらを圧倒したくないためと説明した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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