Sun Microsystemsは米国時間25日、Solaris OSをオープンソースソフトウェアとしてリリースする。最初に公開されるのはDynamic Tracingと呼ばれる新しいパフォーマンス分析/デバッグツールだ。
「DTrace」は、SunがSolarisのバージョン10で最も力を入れて売り込む新機能の1つ。Sun関係者は24日、同OSは1月末までに投入されるが、OpenSolaris計画によって公開されるソースコードが出そろうのは2005年第2四半期になると語った。
SunのOpenSolaris計画は、ライセンス条項の詳細、OpenSolaris.orgウェブサイト、新しいコミュニティ顧問理事会とともに25日に正式発表される。これは、Solarisと異なり当初からオープンソースプロジェクトだったLinuxのお株を奪う試みだ。またSunは、Linux対抗策の一環としてSolaris 10の無償公開にも踏み切る。これは、Enterprise Linuxの利用に対価を求めるLinuxベンダー最大手のRed Hatとは対照的なやり方だ。
Sunの幹部らが明らかにしたところでは、同社はOpenSolarisを2004年に立ち上げようと考えたものの、各企業とのライセンス交渉が原因で頓挫していたという。
Sunはまた、Community Development and Distribution Licenseを利用する計画であることも24日に正式に認めた。このライセンスでは、プログラマがSolarisとLinuxソフトウェアを混在できないようにはしているが、ほかの複数のオープンソースライセンスプロジェクトとの交換は認められている。
ライバル各社は、Linuxの普及に対してそれぞれ異なる反応を示している。Sunに次ぐ第2位および第3位のUnixサーバベンダー、Hewlett-Packard(HP)とIBMは、SunがLinuxを支持する数年前から同OSを採用しており、意気込みの点でもSunに勝っている。IBMとHPは、Linuxをそれぞれが優先するプロセッサ(IBMはPower、HPはIntelのItanium)を発展させる手段の1つと考えている。
また、IntelのXeonやAdvanced Micro Devices(AMD)のOpteronといったx86プロセッササーバ市場で力を付けつつあるDellでは、1999年にSolarisへの対応を検討したものの、結局Unix系のオプションとしてLinuxを採用することになった。
Sunは、Solaris 9をSolaris 10にアップグレードする開発作業に5億ドル以上を投資したとしている。
DTraceは、ソフトウェアを実行時に分解し、どのプログラムによってどのプロセスをリクエストしているか見つけ出す。専用バージョンのOSが必要になる一部の分析技術とは異なり、DTraceはSolarisカーネルの標準機能として組み込まれている。
同ソフトの開発に携わったプログラマーの1人、Bryan Cantrillは、11月に行ったプレゼンテーションのなかで、「DTraceはSolaris 10の一部で、カーネルとアプリケーションをそれぞれダイナミックに準備し、これをリアルタイムで組み合わせるものだ」と説明していた。
Cantrillによると、同氏は2002年にDTraceのプロトタイプを使って、あるSun製サーバに見られたパフォーマンスの問題を診断したという。「このサーバでは3400のプロセスが動いていたが、そのうち600のプロセスがシステムをほとんど動かない状態にしていた。DTraceが出てくるまで、こうした問題を見つけだすチャンスはなかった」(Cantrill)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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