Oracleは米国時間19日、PeopleSoft発行済み株式の約60%を獲得することについて同社株主から同意を得たと発表した。これにより、OracleのPeopleSoft買収に向けた活動が大きく前進した。
株主による信任投票の結果、買収総額が92億ドルにものぼる今回の交渉は継続することが決定した。しかし、PeopleSoftは乗っ取り防止条項を取り下げず抵抗を続けており、交渉成立への道のりは遠い。敵対的買収に対しPeopleSoftが掲げている「ポイズンピル(poison pill)」と呼ばれる乗っ取り防止条項は、株式の20%以上を獲得する企業が現れたら、買収者の持ち株比率を下げることにより、最終的な買収コストを吊り上げようとするもの。
Oracleの最高経営責任者(CEO)Larry Ellisonは声明のなかで、「PeopleSoft株主の圧倒的多数が1株当たり24ドルでOracleに株式を売却することに同意した。われわれには、早ければ週末中にも合併契約を結ぶ用意がある」と述べた。
また同社はPeopleSoftの取締役会に送付した書簡のなかで、提示価格の1株24ドルは株主から「高い評価」を受けており、「適正」な金額だと述べている。
これに対しPeopleSoftは20日に声明を発表し、買収を拒絶する方針を再度強調した。「PeopleSoft取締役会はOracleの一方的な提案について内容を検討した。その結果、PeopleSoftは1株当たり24ドル以上の価値を持ち、Oracleの提案は不適切だという結論に満場一致で達した」(PeopleSoft声明)
これまでもPeopleSoftは株主の動向を懸念して、買収阻止に向けて同社は戦う考えであることを言明してきた。同社は20日の声明のなかでも以前の姿勢を繰り返し強調し、Oracleに好意的な姿勢を示した株主も本心ではもっと高い金額を提示して欲しいと思っているはずだと述べている。
同社取締役会メンバーで、同社Transaction Committeの委員長を務めるGeorge "Skip" Battleは声明のなかで「株主の大半は、1株当たり24ドルというOracleの提示価格が不適切であり、PeopleSoftの本来の価値が反映されていないと考えている」と述べている。
19日午後9時の買収期限に向けて、Oracleはここ数週間、精力的な活動を繰り広げてきた。Oracleは、発行済株式総数の50%がPeopleSoft株主から提供されなければ買収から手を引く用意があると述べていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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