Microsoftは、PeopleSoftとOracleの合併をめぐる裁判での証言に反し、自社のソフトウェア製品に移行するPeopleSoftの顧客を支援するプログラムを発表した。支援対象には、PeopleSoftの大企業顧客も含まれる。
このプログラムは米国時間10日に発表された。これは、OracleによるPeopleSoftの買収手続きが苦労の末ようやく完了した直後のことだった。OracleのPeopleSoft買収計画に対して米司法省が異議を申し立てたことにより争われた独禁法訴訟で、Microsoftの幹部は、大企業向け業務アプリケーションソフト市場には当面参入しない計画だと証言していた。当時Microsoftは、(PeopleSoftが買収されれば)市場のプレイヤーが減ってしまうと述べていた。
だがそのMicrosoftが、PeopleSoft Enterpriseを利用する企業顧客に同社Business Solutions Groupが提供する「Great Plains」を売り込んでいる。また同社は、PeopleSoft EnterpriseOneやPeopleSoft Worldを利用する中小企業には、Microsoft Business Solutionsの「Axapta」を推奨している。これらの顧客には、移行を容易にするため、ソフトウェアやサービスが割引価格で提供される。
このキャンペーンを通してMicrosoftは、PeopleSoftからの移行顧客に対するライセンス料を6月22日まで25%引きとするほか、Microsoft Business Solutionsによるサポートや強化プログラムも初年度は25%引きで提供する。また、Microsoft Business Solutionsの「Solomon」や「Navision」に乗り換えるPeopleSoftの顧客にも同様のキャンペーンが適用される。
MicrosoftのBusiness Solutions Group担当シニアバイスプレジデントDoug Burgumは声明のなかで、「現在、PeopleSoftの技術を利用している企業は難しい選択を迫られている。われわれは、最良の選択肢を提供することで彼らの前進を支援する」と述べた。
司法省側の証人として独禁法訴訟の証言台に立ったBurgumは、OracleとPeopleSoftの合併が成立した場合、データベースソフトウェア市場で自社と競合するOracleがPeopleSoftの顧客に働きかけて、Microsoftのデータベース製品からOracle製品に乗り換えさせるのではないかということを、Microsoftは懸念していると述べた。
このような懸念から、Microsoftは業務アプリケーション市場のリーダーであるSAPに合併話を持ちかけることになった。しかし、合併そのものとその後の統合作業が複雑になることから、両社の交渉は昨年初めに頓挫してしまった、とBurgumは裁判のなかで証言している。
Burgumは証言のなかで、SAPとの交渉をあきらめた時点で、同社にはSAPやOracle、PeopleSoftなどと争いながら、内部の仕組みも複雑な大企業にアプリケーションソフトを供給しようとする意図はなくなったことを強調していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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