OracleのPeopleSoft買収をめぐる裁判で、米連邦地裁判事は米国時間9日、同買収は企業向けソフトウェア市場における競争に対する脅威とはならないとの判断を示し、Oracle勝訴の判決を下した。
Vaughn Walker地裁判事は、合併計画に反対する米司法省の主張を退けOracle勝訴の判決を下した。司法省は、PeopleSoftの買収によってOracleは違法な値上げが可能となり、企業向けソフト業界の革新が阻害されかねないとし、今年6月にOracleを提訴した。これに対しOracleは、ドイツのSAPなど他にもライバル企業が多数存在するため値上げは不可能と反論した。
Walker判事は164ページに及ぶ判決文の中で「原告は、Oracleが合併後に製品市場および地域別市場において、企業間競争を阻害するほど大きな市場シェアを獲得するとの主張について立証しなかった」と述べた。
またWalker判事は、「原告は、高機能(ビジネスソフト)の製品市場が、別個の、明確な商業分野として存在していると主張したが、その点を立証しなかった」と付け加えた。
さらに同判事は、司法省がLawson Software、American Mangement Systems、Microsoftなど「他の多くのベンダー」のビジネスソフトと、Oracle、PeopleSoft、SAPの製品とが競合していないと主張した点について、その正当性も立証しなかったと指摘した。
Walker判事は判決文を次のように締めくくった。「OracleとPeopleSoftとの合併が(独占禁止法に反し、)関連製品市場および地域別市場における競争を大幅に弱める恐れがあるとの主張について、原告側は優位な証拠を示せず、立証できなかったため、当法廷は被告Oracleの勝訴判決を言い渡す」
Walkerは、同判決は10日間保留され、その間に司法省は控訴することが可能であると付け加えた。
同判決により、OracleはPeopleSoftに対する総額77億ドル規模の敵対的買収が可能となる。Oracleは、買収に気乗りしないPeopleSoftをおよそ15カ月に渡って追い続け、ここ半年は米政府が提起した反トラスト訴訟に時間を費やしてきた。同判決を受け、OracleはPeopleSoftに対し、買収の試みに対してPeopleSoftが講じてきた防御策を中止するよう求めた。
OracleのJeffrey O. Henley会長は声明の中で次のように語った。「このような判決が下された以上、PeopleSoftの取締役会はわれわれと会談し、株主がわれわれの買収案を受け入れられるよう乗っ取り防止策を解除する義務がある」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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