IT専門調査会社インターナショナルデーターコーポレイションジャパン(IDC Japan、竹内正人社長)は、国内中堅企業のIT投資動向の最新調査結果を発表した。これによると、「IT投資は経営強化に不可欠である」と考えている中堅企業は約90%。一方で「IT投資効果が可視化できていない」は約80%、「今後行うべきIT投資が具体的にみえていない」は約47%。すなわち、中堅企業はIT投資に十分な計画性をもたず、戦略に欠ける面があると考えられる。この結果は「今後1〜2年のIT投資額の伸び」に反映され、「横ばい」「減少」とする企業が合わせて約70%に達した。
IT投資の目的は、「事務作業の効率化」から「意思決定の迅速化」「情報収集力の強化」へと確実に変化しており、ITを「事業で成果を出すための重要なツール」と位置付けている。しかし、その意識を具体的な形でIT投資に反映させるノウハウやスキルやが備わっていない――これが中堅企業のIT投資における課題である。
中堅企業は、課題の解決をベンダーに委ねている。ベンダーに求めるファクターとして挙げられたのは、「自社・自業界の理解」と「導入前・導入後のサポート」。今後行うべきIT投資の内容と方向性の示唆、導入後の運用ノウハウを、現段階では自社で構築するのではなく、ベンダーに求めているのである。IDC Japanの小池孝典アナリストは、「システムベンダーやシステムインテグレーターが、個別にIT投資の可視化と投資の明確化を行い、コンサルティング的提案を行うことで、中堅企業市場でのビジネスチャンスは格段に広がる」と述べている。
調査対象は、従業員規模150〜1000人の国内中堅企業。有効回答数744社。詳細は「国内中堅企業業種別IT投資意識調査2004年版アップデート」(IDC発行)。
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