日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は11月18日、「HP ProLiant ファミリ」の製品ラインアップを強化すると発表した。従来のHP StrageWorks NAS ファミリに位置づけられていたファイルサーバ専用機をサーバ製品群のHP ProLiantブランドに統合し、HP ProLiant Strage Serverシリーズとして同日から販売する。さらに、インテルのXeonプロセッサを2基搭載可能なタワー型サーバ「HP ProLiant ML150」も新製品として登場。この製品は、中堅・中小企業や大企業の部門レベルをターゲットに開発されたスタンダードサーバとなっている。
日本HP エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部長 松本芳武氏 |
同日開催された記者発表会において、日本HP エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部長の松本芳武氏は「国内マーケットのトップシェアを狙う」と意気込みを語った。日本HPはコンパックとの合併後、2002年にx86サーバの国内シェアを大きく落としていたが、2004年度に入り前年比で毎月20〜30%増の伸びを記録するなど大きく上昇。現在では2位とほぼ同等のシェアを持っており、一気にトップの座を取り戻そうというわけだ。
ここで同社が注目したのはディスク・ストレージシステム。国内でも全体の出荷容量が急激に増加し、市場全体がストレージを必要とする傾向が見られている。さらに松本氏はNASの国内市場について「50万円以下のエントリーモデルが出荷台数の50%以上を占める」ことを強調した。実際に、日本HPの母体であるHPはストレージシステムの世界シェアトップを誇っている。エントリーレベルからハイレベルなものまで幅広いラインアップを取り揃えており、顧客のニーズに合わせた製品提供によって実績を上げている。このような背景から、日本HPではストレージ製品の強みを活かし、ストレージとサーバが統合されたシステム販売をさらに強化する方針を打ち出した。
今回HP StrageWorks NAS ファミリをHP ProLiant Strage Serverシリーズに統合することで、HP ProLiant ファミリ全体が大幅に強化される。新ブランドのラインアップはProLiant 100シリーズとしてML110 Strage ServerとDL100 Strage Serverがあり、ここにタワー型の新製品ProLiant ML150が加わる。ProLiant 300/500シリーズについては、「ML350 G4 Strage Server」「ML370 G4 Strage Server」「DL380 G4 Strage Server」「ML580 G2 Strage Server」の4機種体制となっている。
日本HP インダストリ スタンダードサーバ製品本部 ビジネスプランニング部長 橘一徳氏 |
また、低価格なProLiant 100シリーズについては、同社のオンラインストアDirectplusとDirectpartnerの専用モデルになるという。これは、付加価値サービスや高度な管理機能・拡張性、TCOなどを重視する従来の顧客ニーズに対して、手厚いサポートが不要で、必要機能に特化したニーズを持ち、導入コストの軽減などを重視する新しい顧客ニーズに対応した製品だ。インダストリ スタンダードサーバ製品本部 ビジネスプランニング部長の橘一徳氏は「価格よりも製品の付加価値で戦うというビジネス展開をしていきたい」と、今後のビジネス展開を語った。
現在では企業の扱うデータは飛躍的に大容量化しており、膨大なデータをどのように管理・運営していくのかが重要な課題になっている。この点について、ネットワーク・ストレージ製品本部 ビジネスプランニング部の近藤泰斗氏は「できるだけ自動化・簡素化することで運用コストを下げ、データの質や内容によって最適なストレージを選択することが重要」という。もちろん、データ管理は大企業だけでなく、小・中規模の企業でも重要だ。今回発表されたHP ProLiant ML150は、このような小・中規模ネットワークでの使用に最適なモデルとなっている。
HP ProLiant ML150の主な特徴としては、インテルのXeonプロセッサを2基、SCSIのHDDを6本搭載することが可能。ホットプラグやRAID構成にも対応しており、緊急時などシステム稼働状態でもディスク交換が行えるのは企業にとって大きなメリットだ。さらに、オプションの「Light-Out 100リモートマネージメントカード」を搭載すれば、リモート環境からの遠隔操作も行えるようになる。価格は15万3300円から。
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