無線LANの利用範囲を拡大するWi-Fiするベンチャー企業

 米Airgo Networksは18日(米国時間)、マルチアンテナを持つ無線LAN技術と、同技術を利用した同社初のチップが、見込み客の元でテストされていると発表すると見られている。

 Airgoによると、同社の新技術は、無線LANのネットワーク範囲を拡大しつつスループットも増大できるため、これによって無線LANの導入がより安くかつ簡単に実現し、性能も向上できると主張している。だが、全てのベンチャー企業と新しい技術に言えることだが、同社の主張は完成した製品で初めて実証されることになる。

 同社最高経営責任者(CEO)、Greg Raleighによると、AGN100と呼ばれるこれらのチップを大量出荷することで、今後数カ月間に、たとえばノートPCなど同チップ搭載製品が増加するだろうと述べた。

 Airgoはすでに、同社チップの採用をを検討しているメーカー各社との話し合いに入っており、これには主要なノートPCメーカーも含まれているという。また、このチップを使ってネットワークの到達範囲と性能を向上した結果、家電/PCメーカー各社がここ数年大々的に宣伝してきた「家庭のマルチメディアネットワーク化の流れ」の中心に、現在自社がいるとRaleighは語った。

 Airgoはこれまでに、OVP Venture Funds、Sevin Rosen Funds、Nokia Venture Partners、Accelなどのベンチャーキャピタル各社から、5200万ドルの資金を獲得している。

 一般的に、ひとつのネットワークのなかで、複数の無線電波を利用すると、互いに干渉を起こす可能性がある。調査会社米Farpoint Groupのアナリスト、Craig Mathiasによると、ワイヤレス技術の未来は、複数の電波を利用するマルチインプット・マルチアウトプット(MIMO)技術にあるという。

 「別の方法で単一信号に多くの情報を載せるには、信号の中に多くのビットを詰め込むしかない。だが、ビットを多く詰め込めば、電波の届く範囲が狭くなる」とMathias。「これまでのところ、複数信号の送信と受信は実現しており、信頼性のある信号技術は構築されつつある」。

 Airgoの最新チップ製品は、802.11a、802.11b、および802.11gをサポートしており、通信速度は最大で108Mbpsを実現する。また、802.11iと802.11eのドラフトバージョンもサポートしているという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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