通信工事大手の協和エクシオの株価が、11月中旬の800円台半ばからジリ高歩調をたどり1000円乗せ目前の水準にまで上昇している。NTTが2010年度までに累計5兆円を投入して3000万世帯・事業所に光アクセス・次世代ネットワークサービスを提供する方針を打ち出したことで、光関連工事の拡大見通しによる業績向上見通しが好感されているためだ。
協和エクシオの9月中間期連結決算は、売上高1009億円(前年同期比23%増)、経常利益42億2700万円(同50%増)の大幅な増収増益となった。これに伴い会社側は、2005年3月期通期の連結経常利益について、従来予想の104億円から107億円(前期比17.5%増)へと上方修正された。
さらに、下期に入っても10、11月と受注高が前年同月比で2ケタ増ペースとなっているもようだ。なかでもとくに、FOMA関連のサービス向上投資が増大しているNTTドコモからの工事が受注向上をけん引しており、月次ベースの11月単月のNTTドコモ工事受注額は前年同期比28%増の75億円と大きく伸長し、2002年3月の87億円に次ぐ高水準になっている。会社側では、今期のNTTドコモ工事受注高を期初の514億円(前期比11%減)から578億円(同1%減)に引き上げたが、現状のペースは会社側の修正数字より100億円程度上回る可能性が浮上している。
さらに、中長期的にも業績拡大に向けての好材料が浮上してきた。NTTは2010年までに光通信サービスの契約数を現在の固定電話の約半数に当たる3000万回線とする拡大方針を打ち出している。光関連の通信工事は、高い施工技術が要求されるため、NTT系通信大手である同社の受注シェアは高まる見通しにある。さらに、3000万回線という大規模になることから、全国展開は必須条件となる。工事事業者選定においては競争入札を前提しており、一地域独占は認められない。このため、各地域密着型のNTT工事会社をグループ内に取り込む戦略を進める協和エシオにとって有利となる可能性が高い。単体受注は7期ぶりに完成工事高を上回る見通しで、これまでの受注縮小均衡傾向にピリオドを打つことになる。
協和エクシオの株価は、11月中旬には800円台半ばでもみあい状態となっていたが、NTTによる光関連の設備投資の大幅な積み増し計画の公表を好感して、株価が徐々に上昇し現在は1000円乗せ目前となっている。先週末12月17日終値の954円で試算したPERは18.8倍と割安水準にあり、信用取引き面でも、12月10日申し込み現在の売り残高は125万7000株、買い残高59万5000株、信用倍率0.47倍と株価の上昇要因となっている。
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