IntelとAT&Tという珍しい組み合わせのコンビが、ともに苦戦中の通信分野における事業拡大を目指し、協力している。
両社の幹部は米国時間9日、約半年前に合意した提携の一環として、複数の通信プロジェクトを共同で進めていくと述べた。これらのプロジェクトの目標は、標準部品を開発することと、メーカーが中小企業向けに開発・販売する製品の計画をたてることだ。
この提携により、両社は製品の発売を早めたり、コストを下げたりすることができるうえ、顧客に共通のエクスペリエンスを提供することができる。同時に、Intelのチップ販売量と、AT&Tの通信サービスの拡大にも役立つ。Intelの通信チップ事業は採算が取れない時期もあったが、近頃は、携帯電話や携帯端末、ノートPC、ワイヤレスブロードバンド技術WiMaxの分野でビジネスチャンスに恵まれるようになってきた。
AT&Tも以前のように楽ではない。過酷な価格競争、破産法の保護を受けたライバルMCIの復活、そして自社を家庭向け電話サービス撤退へと追い込んだ規制環境に苦しめられながら、AT&Tはかつての地位を取り戻そうと苦戦している。同社は現在、企業向けサービスにおける成長を加速するためにVoIPなどの新しいアプリケーションに頼っている。
通信業界は今、標準部品の利用という、PC業界では一般的な戦略を自分たちの業界に適用しようとしている。これは、動きの鈍い電気通信分野における変化のスピードを上げるうえで役立つだろう。
「標準化された部品は、信頼性の高いサービスやエクスペリエンスを顧客に提供するのに役立つ」と、IntelのCommunications Infrastructure GroupのバイスプレジデントHoward Bubbは言う。
Intelは、AT&Tとのプロジェクトの一部に「IXP425」チップを使う計画だ。AT&Tは、通信サービスを最も有効にサポートするためにそのチップがどのように使われるべきかを、Intelに情報提供する役割を担う。
「これらの標準部品が、サービスの運用/導入/維持の複雑さをなくす。それはプラグ&プレイ式のソリューションのようなもの」とAT&Tの最高技術責任者(CTO)のHossein Eslambolchiは言う。
両社が取り組んでいるプロジェクトの1つは「office in a box」で、ブロードバンドアクセスとVoIPのためのサポートサービス、ファイアウォールによるネットワーク保護、VPNソフトウェア、ルーティング機能などが提供される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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