CIOの課題を語るマーキュリー、その対処法とは

藤本京子、早津優美(CNET Japan編集部)2004年12月09日 12時43分

 マーキュリー・インタラクティブ・ジャパンは12月8日、プレスミーティングを開催した。そのなかでマーキュリー・インタラクティブ・ジャパン マーケティング部ディレクターの河野真一氏は、同社が共同で行った調査をもとに、CIOにとっての課題やその課題への対応法などについて述べた。

 同社はBTO(Business Technology Optimization)を提唱し、これを実現するための製品を提供している。BTOを実現することで、「ビジネス戦略とIT戦略が一致するようになるほか、ITの可視化とIT投資の適切な優先順位付けが実現できる。また、ITのコストとリスクのコントロールができるようになる」と河野氏は語る。テクノロジー中心のIT導入を脱してビジネスとITの関係を緊密化し、IT投資をビジネス指標の明確化に結びつけるのがBTOのねらいだ。

マーキュリー・インタラクティブ・ジャパン マーケティング部ディレクター 河野真一氏

 河野氏は、同社がEconomist Intelligence Unit、IDCとそれぞれ共同で行った調査から、CIOにとっての最重要課題を3つ指摘する。それは、アウトソーシング、コンプライアンス対応、そして複雑化するアプリケーション環境への対応だ。このそれぞれにおいて同氏は、なぜこれらが重要なのか、対応するにあたっての課題や阻害要因は何なのか、そして成功のためには何が必要なのかを述べた。

 アウトソーシングの利点について河野氏は、コスト削減につながることはもちろん、専門スキルを外部から容易に獲得できるとしている。では、阻害要因は何なのか。河野氏は、調査結果を基に「外部のスキルに依存してしまうため社内ナレッジにつながらないことや、プロセスを可視性するのが困難であることなどが要因だ」と述べ、「特に日本のCIOは、品質保証や法令違反のリスクを懸念している」という。オフショア開発を視野に入れてアウトソーシングを成功させるには、プロジェクトの可視性を確保し、アプリケーションの拡張や変更に対応できること、品質評価基準を明確化させることが重要だとしている。

 コンプライアンス対応の重要性については、「法令違反による罰則やブランドイメージの毀損を回避でき、リスクを含む情報の透明性を高める」と河野氏。しかし、コンプライアンス対応を進められない理由としては、予算の不足やコンプライアンスへの理解が不足していること、スキルが不足していることなどが挙げられるという。また、ITオペレーションに影響が出てしまうことや、CIOの負担が増えてしまうことも問題だ。コンプライアンス対応を成功させるには、「対応のためのプロセスを確立すること、そしてその取り組みをCIOが積極的に牽引することが大切だ」と河野氏は述べる。

 複雑化するアプリケーション環境への対応は、「異なるシステム同士のアプリケーション連携が必要であることや、オープン化を推進し、管理性を向上させるために重要だ」と河野氏はいう。だが、異種混在システムを連携させ、全体を把握することは複雑で、スキルを持った人材の確保も困難だという課題がある。このような状況を改善するには、テストの効率化と最適化を実現させ、アプリケーションのライフサイクルを通じた管理とプロセスを確立すること、また、インフラとアプリケーションの両方を把握することなどが成功につながると河野氏はいう。

 「これら3つの重要課題を成功させるためのソリューションが、マーキュリーの提供する製品だ」と河野氏。Mercury Quality CenterとMercury Performance Centerは、品質やパフォーマンスを管理する製品ファミリーで、Mercury IT Governance Centerは可視性を確保する製品群だ。また、Mercury Business Availability Centerはアプリケーションのダウンタイムが業務に与える影響の測定を行うことができる。2005年第1四半期には、Quality CenterとBusiness Availability Centerに新たな製品が加わる。同社ではITガバナンス製品に対するCIOの認知を高める施策を進めるという。

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