3月9日、米Mercury Interactive社長 兼 最高経営責任者(CEO)のアムノン・ランダン氏が来日し、ITトレンドと同社の取り組みについて紹介した。
Mercuryは負荷テストツールの「LoadRunner」や機能テストツール「WinRunner」などを主力製品としている企業。同社の2003年度(2003年1月〜12月)の売上高は前年比27%増の5億650万ドル。エンタープライズソフトウェア企業の成長ランキングで5位以内に入っており、ランダン氏は昨年、米Forbes誌の「2003 Entrepreneur of the Year(起業家大賞)」に選ばれている。
Mercury Interactive 社長 兼 CEOのアムノン・ランダン氏 |
ランダン氏はまず、現在ITの置かれている環境が厳しいものであると指摘。ユーザーがITに求めるレベルは年々上がっており、高い可用性やパフォーマンス、拡張性などが必要とされている。しかし同時に、コストやリスクの低減も求められているというのだ。この相反する2つの要求を同時に満たすのがBTO(Business Technology Optimization:ビジネスとテクノロジーの最適化)だと同氏は言う。
BTOとはMercuryが2002年11月から提唱しているコンセプト。BTOとは、製造業で広く行われている品質管理の手法をITの世界に持ち込むというものだ。アプリケーションの開発から運用、メンテナンスに至るすべての段階で性能や品質のテスト・監視を行い、ITとビジネスのパフォーマンスを最大限に引き出すことを目的としている。
続いてランダン氏は、現在起こっているITトレンドと同社の取り組みについて紹介した。まずランダン氏は、企業が組織内で分散化されたITシステムを統合し、集中管理するようになっていると紹介。必要な技術を1カ所に集めてノウハウを蓄積し、ウェブ上でITサービスとして提供するようになってきていると話す。
2つ目のトレンドはITガバナンスの導入だ。従来、ITシステムはユーザーの要求に応じて作られる要求対応型だったとランダン氏は話す。しかしこれでは統一的にコントロールすることができず、コストも高くなってしまう。ITを組織化し、一元的に把握・分析して活用できることが現在求められているとした。
Mercuryでは、ITガバナンスを実現するために昨年11月に製品体系をOptimization Centerとしてまとめた。これにより、同社の製品が共通基盤によって連携し、統合管理できるようになっているという。ランダン氏は、ITガバナンスを利用してビジネスの優先順位にIT戦略を合わせ、ITの戦略と実行を最適化するべきだと指摘。それを実現するのがMercuryのBTOだとして講演を締めくくった。
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