目玉はズバリThinkPad
Lenovoは現在PC出荷台数で世界第9位につけているが、IBMの事業を一部でも取得できれば、同社はPC事業を国際的に拡大できるチャンスを手にすることになる。さらに、この2年間に数多くの合併買収が続いてきているPC業界に、また新たな統合の波が押し寄せることにもなるだろう。
この売却交渉が成立すれば、LenovoはPC業界の宝石ともいえる重要な製品--高い人気を持つIBMのThinkPadを手に入れることにもなる。
Lenovoは、IBMにまつわる憶測に関してコメントを避けているが、中国国内と海外の両市場で事業を拡大させる意志があることを示唆したことがある。
「Lenovoはこれまで中国市場に特化して事業を行ってきた。IBMのPC事業を取得すれば、米国をはじめとする世界各国の市場に参入できる。IBMのノートPC事業を獲得することが一番大きな狙いだろう」(Kay)
現在、PC出荷台数で世界第3位につけるIBMは、DellとHewlett-Packard(HP)に大きくを水をあけられている。IDCによると、第3四半期における市場シェアは、DellとHPがそれぞれ18%、16%だったのに対し、IBMは6%だった。またIBMのノートPC市場のシェアは8.9%で第4位につけている。
しかしアジア太平洋地域では、IBMがノートPC市場で首位を走っており、同社の市場シェアは16.5%と、HPの12.3%を大きく引き離している。一方、Lenovoの同市場におけるシェアは7.4%で、市場第6位につけている。
IBMはすでにPCの製造に関して合理化を進めてきており、ThinkPadの大半を中国・深川の自社工場で製造する一方、デスクトップのNetvistaシリーズはSanmina-SCIに製造を委託している。IBMは2002年1月に、Sanmina-SCIとの間で、3年間にわたる50億ドルのPC製造契約を結んでいる。同時にSanmina-SCIは、米国とスコットランドにあったIBMのデスクトップ製造事業を従業員約980人を含めて買収している。このときの買収額は発表されていない。その後2003年1月には、同社とSanmina-SCIとの間で、xSeriesサーバの製造委託契約も結ばれた。
中国や台湾の一部では、以前からIBMのPC事業の行方について憶測が流れていたが、しかしその大半はIBMとLenovoとの中国国内におけるPC販売に関するものだった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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