Hewlett-Packard(HP)は来年、自社のユーティリティコンピューティングの取り組みに新たなアプローチを採用し、企業のコンピュータシステムのランニングコスト削減を狙った製品を投入する。
同社は米国時間29日に、HP OpenView Automation Managerという製品を発表した。これは、同社が今年に入って買収したConsera SoftwareおよびNovadigmのツールを組み合わせた、ネットワーク管理アプリケーションである。この製品は、来年第1四半期に一般向けに販売される予定で、価格はサーバ1台あたり約1000ドルからになると、HP幹部は述べている。
HPはこの新しいツールで、開発を中止したUtility Data Center(UDC)製品の仕切り直しを狙う。UDCは、管理者が複数のサーバやストレージシステムをひとつにまとめ、需要の変化に応じてタスクを割り当てられるように設計されていた。ユーティリティコンピューティングのコンセプトを示す初期の例として、注目を集めていたUDCだったが、しかしシステム全体のインプリメンテーションに何百万ドルもの費用がかかるため、実際に導入した顧客はほとんどなかったと、HPは9月に述べていた。同社は現在、この関連のソフトウェアやサービス、ハードウェアを個別に販売しており、バンドルパッケージとしては扱っていない。
「顧客が統合型のオールインワン・ソリューションを求めていないことがわかった。われわれが何を統合しようと、彼らは別の何かを欲しがった」と、HPのNora Denzel(Adaptive Enterprise担当シニアバイスプレジデント)は述べている。Adaptive Enterpriseは、ユーティリティコンピューティングを企業顧客に提供することで、IT関連コストを削減しようとするHPの取り組みを指す。顧客が電気を購入するのと同じように、利用度に応じてコンピュータパワーを購入できるようするユーティリティコンピューティングのアイデアは、IBMやSunなどの他社でもその実現に向けた取り組みを進めている。
OpenView Automation Managerのユーザーは、計算処理の需要の変化に応じて自社サーバの構成を自動的に調整できるようになる。同製品には、システム管理者向けの業務運用状況を視覚するモデリングツールも含まれており、管理者はこれを使って自社のITインフラの状況をよりよく把握したり、メンテナンス作業を自動化できる。
例えば、金融サービス企業では、計算処理の需要が急増した場合に、自動的に追加サーバをそのタスクに割り当てたてたり、月例のセキュリティパッチのインストールのような、あらかじめ決められた時間でメンテナンスを行うことが可能となる。これら管理業務を自動化すれば、企業ユーザーは既存システムをさらに有効活用できると、HPのDavid Gee(アダプティブマネージメントのマーケティング担当バイスプレジデント)は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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