P2P技術を追放したいというレーベル各社の願望は理解できるが、インターネットとの接続を切断して自分のコンピュータを制御する権利を放棄するということなら、P2Pの非合法化は適切な方法だと思えない。
だが、われわれ全員にとって幸運なことに、P2Pファイル共有ネットワークには、かなりの数の著作権を侵害しない利用方法もある。たとえば、権利の消滅した古い素材はだれにも所有権がないため、これらは好きなだけ交換することができる。さらに、P2Pネットワーク上には、さまざまなバンドが無償でも有償でもとにかく聴いてもらいたくて制作した作品が数千曲もある。
問題の核心は、「著作権で保護されており使用は一切厳禁」と「どうぞご自由に」との中間に位置づけられる新しいレベルの著作権を作り出す必要があるという点だ。幸運にも、Creative Commonsというカリフォルニア州スタンフォードにある非営利団体が、著作権所有者にさまざまなレベルの規制を提供する新しいライセンスを用意している。つまり同団体では、ミュージシャンなどのアーチストが著作権料徴収のための一部権利を保持しながら共有を許可できる、という著作権明示の新たな選択肢を提供しているのだ。たとえば、Creative Commonsのライセンスで提供される楽曲には、非商用利用であれば試聴できるものや、P2Pネットワークで堂々と交換できるものなどがある。
お待ちかね
以下の楽曲は、P2Pの、そしておそらくは技術全体の生き残りがかかった実質的非侵害利用方法の典型例だ。しかも完璧に近いと思う。最後になるが、Creative Commons以外にも、アーチストをとりまとめ、最新号の付録CDに曲を収録したWired Magazineに謝辞を述べたい。
これらは、CreativeCommons.orgからすべて無償でダウンロードできる。
筆者略歴
Eliot Van Buskirk
CNET Networksの運営するMP3.comの編集者で、「Burning Down the House: Ripping, Recording, Remixing, and More!」という著作がある。
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