マイクロソフトは11月19日、e-Japan構想の下で同社が2001年より展開している「全国IT推進計画」を強化すると発表した。全国IT推進計画は、「中小企業(SMB)の発展なくして経済成長はありえない」(Microsoft セールス、マーケティング、サービスグループ担当グループバイスプレジデント、ケビン・ジョンソン氏)との考えの下、SMBにITを最大限活用してもらうよう支援する施策だ。
同計画においてマイクロソフトでは、ITに関するSMB向け啓発セミナーの「IT実践塾」および「IT体験キャラバン」の実施や、ビジネスポータル「経革広場」を開設するなどして、ITの重要性を説いてきた。マイクロソフト執行役常務の眞柄泰利氏は、過去3年間を振り返り、「(SMBにおける)ITリテラシーは未だ十分でないため、啓蒙活動はこれからも継続させる。ただ、市場啓蒙だけではITの活用にまで至らないこともわかった。SMB市場に最適なIT関連製品やサービスを提供し、これまで行ってきた啓発とIT活用支援のみならず、活用に至るまでの相談と導入部分の支援を行いたい」と述べる。
マイクロソフト執行役常務 眞柄泰利氏 |
具体的な強化策は、「啓発」「相談」「導入・活用」という視点に分かれている。啓発部分においては、IT実践塾を継続・拡大し、2005年末までに新たに1万3000人の受講者を集めることや、経革広場の地域版を強化し、2004年末までに会員4万社を追加して合計9万社とすることを挙げている。相談部分では、12月10日より「マイクロソフト中小企業IT化支援センター」を開設し、問い合わせ窓口を0120-58-0196のフリーダイヤルに一本化するほか、12月1日にはパートナーを支援するための「IT推進全国会支援センター」を開設、SMBに対してIT導入を行うパートナーに対し、提案時の営業や技術サポートを提供する。
導入・活用部分では、「スマートビジネスパック」を12月10日より販売開始する。スマートビジネスパックとは、Microsoft Windows Small Business Server 2003 (Windows SBS 2003)に、日本のSMB向けソリューションとして開発されたグループ情報共有ツール「Microsoft GroupBoard Workspace」と、パーソナルリレーションシップマネジメントソフトウェア「Microsoft Office InterConnect 2004」、データ分析ツール「住中先生のビジネス ウィザード 2004」体験版を加えたパッケージ。参考価格はスタンダードエディションで13万7500円。なお、海外ではSMB向けのERP製品も発売されているが、日本での提供については現在未定となっている。
さらに同社では、12月10日から2005年6月30日までスマートビジネスキャンペーンを実施し、同期間中Windows SBS 2003の追加クライアントアクセスライセンス(マイクロソフトライセンスパック5CAL パック)を、従来の半額となる4万4300円にて提供するという。
ジョンソン氏は、従業員が1名〜99名というSMBが日本において全企業の99%を占める166万社存在し、SMBの今後12カ月の売上成長率が10%以上と予測されていることを引き合いに出し、「この成長率はGDPより大きなものだ。この成長を支援できるよう、テクノロジーをうまく活用してもらいたい」と述べた。
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