OracleによるPeopleSoftの敵対買収をめぐる攻防で、ウォール街の投資家らに注目が集まっている。
19日の買収期限が迫る中、PeopleSoftの最大の機関投資家の1つであるPrivate Capital Management(PCM)は米国時間16日、同社が保有するPeopleSoft株をOracleが提示している1株当たり24ドルの価格では売却しない意向を明らかにした。これは、PeopleSoft 買収を目指すOracleにとっては大きな打撃となる。
これに対しOracleは、Capital Guardian Trustが買収を支持し、同社が保有する株式をOracleに売却する予定である、と反論した。Capital GuardianはPeopleSoftの最大の機関投資家で、同社の発行済株式総数の10.2%に当たる、3740万株を保有している。
17カ月間に及ぶOracleとPeopleSoftの攻防では、これまでも何度か激しい争いがあった。そして今は投資家らが、19日までに株式を売却するか否かの決断を迫られている。
Oracleが「最高かつ最終の」提示額と語る1株当たり24ドルという買収価格を持って、この攻防もどうやら決着がつきそうだ。これまで1株当たりの価格を何度か提示し、26ドルを提案したこともあったOracleは、仮に発行済株式総数の50%が提供されなければ買収から手を引く用意がある、と述べている。
しかしそうなると、ここ数カ月間虚勢を張り続けてきたOracleの努力は水の泡となり、裁判で重要な勝利を収めたにも関わらず同社の計画は頓挫することになる。先月、欧州の規制当局がOracleのPeopleSoft買収への取り組みに好意的な判決を下し、その1カ月前には、同社と米司法省との間で争われた訴訟で、米国の裁判所がOracle勝訴の判決を下した。
Oracleの買収が成功するか否かは投資家の行動如何にかかっている。
PCMは16日に米証券取引委員会(SEC)に提出した書類の中で、現在Oracleが提示している(1株当たり24ドルという)価格は、PeopleSoftの企業価値を過小評価していると述べている。PCMは、PeopleSoftの発行済株式総数の9.3%に当たる、3500万株を保有する。
PeopleSoftは予想された通り、PCMが現在提示されている価格でのPeopleSoft株の売却を見送る決定を下したことについて、喜ばしく思うとのコメントを発表した。
Capital Guardianの広報担当はコメントを控えたが、Oracleはすぐにコメントを発表した。
Oracleの広報担当Jim Finnは次のように述べた。「Oracleは、Capital Guardianが同社のクライアントアカウントを代表して、保有株式の売却を決定した、との情報を得ている」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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