欧州の反トラスト規制当局は26日(米国時間)、OracleがPeopleSoftに仕掛けた敵対的買収を認める裁定を下した。これで、一時は泥沼化した長い戦いの、最後の法的障害がクリアされた。
欧州委員会(EC)によるこの買収を認める裁定は、大半の人が予想していたことだった。ECの反トラスト規制当局は、米司法省とほぼ同じ項目について考察したと見られるが、当の米司法省がこの買収を阻止する訴訟を起こし、連邦地裁で敗訴しているからだ。
ECは発表した声明のなかで、ビジネスアプリケーション市場は全世界にまたがる大市場であり、OracleとPeopleSoftの合併で大手3社のうち1社が消えても、この市場の競争は保たれるだろうと述べた。
ECの考えでは、業界最大手のSAPの存在が市場の競争性を保つ役割を果たすという。
「詳細に調査を行った結果、競争が阻害されることを示す十分な証拠は見あたらないとECは判断した。財務管理や人事用の自動化ソフトウェアは大手の複合的企業が使っており、その多くは国際的に活動する企業であるが、これらの企業の契約をOracleやPeopleSoftやSAP以外のベンダが獲得している事実を特に考慮した」とECは声明の中で説明する。
OracleはECの裁定についてのコメントを控えた。
PeopleSoftは声明を発表し、「当社の取締役会は、本日のECの裁定の影響を検討する」と述べた。
「当社の取締役会は慎重に検討し、1株21ドルという現在の提示価格をはじめとするOracleの提案全てを全員一致で却下した」と声明の中には書かれている。「取締役会は5月25日、現時点でのOracleの提案は不適切で、PeopleSoftの本来の価値を反映していないと判断した」(同社声明)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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