DellとHewlett-Packard(HP)は8日(米国時間)に、それぞれ新型サーバの発表を予定している。これらのサーバは、複数台をネットワーク接続することにより1台の高性能コンピュータとして機能させることができるものだ。
ペンシルバニア州ピッツバーグでは米国時間11月6日からスーパーコンピューティングに関する国際会議「SC2004」が開催されているが、これに合わせて行なわれる両社の新サーバの発表は、コンピューティングクラスタ人気の高まりを反映している。クラスタにはLinuxオペレーティングシステム(OS)とIntelまたはAdvanced Micro Devices(AMD)製のプロセッサが最もよく採用されている。IBM、HP、Dell、Sun Microsystemsの大手4社はいずれもLinuxクラスタを販売しているが、小規模な企業も同市場への参入を目指しており、そのうちの2社は4日に新たなベンチャーキャピタルからの投資を発表していた。
Dellのワールドワイド・エンタープライズ・マーケティング担当バイスプレジデントPaul Gottsegenによると、今回発表される同社の最新サーバ「PowerEdge SC1425」は「同1850」から余計な機能を省いた姉妹機で、1850と同様にIntel製64ビットXeonの最新版「Nocona」チップが搭載されている。しかし、Dellはクラスタリング目的の顧客が必要としない冗長電源や高度なハードディスク機能を省略することにより、1850よりも350〜400ドル程度安い価格で1425を販売していく。
SC1425には加Platform ComputingのRocksソフトが付属する。同ソフトは、高性能クラスタを構成するサーバ間でのメッセージ送信、サーバ管理、ソフトの展開などに使用される。SC1425のOS非搭載モデルの価格は1099ドル。同システムは一度に256機のまとめ買いも可能だ。さらにDellは、8台のコンピュータで構成するクラスタを、Red Hat Linux、設定、保守サービスの料金込みで3万3500ドルで販売している。
高性能コンピューティング市場向けマシンのトップセラーであるHPも新しいクラスタオプションを発売する。その中にはIntel製の新型Itaniumプロセッサを搭載したサーバも含まれている。これらのサーバは同社の新しいUnified Cluster Portfolioの土台となっている。同ポートフォリオには、クラスタを管理するためのXC System Softwareやストレージ用ソフトのScalable File Share、さらにクラスタの設置/設定サービスなども含まれている。
HPによると、同社のクラスタ事業の売上は前年比で50%増加しているという。16台のサーバで構成されるHP Cluster Platformの価格は6万2000ドルからとなっている。
HPは1億ピクセルもの大画像を素早く表示できるクラスタベースのグラフィックシステム「HP Scalable Visualization System」の開発にも取り組んでいる。現在、同システムは試験段階にあり、2005年6月末までに発売される予定だ。
一方で、一風変わったクラスタ設計に挑戦している企業もある。Ciara Technologiesは、16〜1万9440基のXeon プロセッサを搭載したLinuxベースの新型クラスタ「VXR-3DT」を発表した。このシステムでは、各コンピューティングノードが、12x InfiniBand高速ネットワーキングで、ノード同士およびストレージシステムに接続されている。同システムは2004年末までに一般発売される予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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