Newisysが、Advanced Micro Devices(AMD)のOpteronをサーバ市場のさらにハイエンド層に食い込ませることを可能にするチップを開発した。
Horusと呼ばれるNewisysが開発したチップにより、コンピュータメーカーは8基以上のプロセッサを搭載したサーバの開発が可能になる。また同社は、Horusベースの8-wayや、16-way、32-wayのサーバも開発中であることを、今週スタンフォード大学で開催されているHot Chipsカンファレンスで明らかにした。
大量のプロセッサを搭載したサーバを開発できるということは、AMDが大規模なマルチプロセッサコンピュータ市場に参入できるということを意味する。こういったコンピュータは毎年大量に販売されるわけではないが、1つ1つの単価が高い。Hewlett-Packard(HP)の32-wayサーバのSuperdomeの基本価格は、9万3000ドルをわずか下回る程度だ。この市場に参入すれば、一流企業の仲間入りを果たしたことになる。
現在のところ、1つのサーバを構成するのに、HyperTransport技術で接続できるOpteronプロセッサの数はわずか8つである。だが多くのメーカーでは8-wayのOpteronサーバを作っておらず、その代わり1/2/4-wayのサーバを販売している。
Red Stormのように、一部のスーパーコンピュータはOpteronプロセッサを使って構築されている。だがこれらの多くは、2-wayないし4-wayのサーバ同士をつなげて、1つの巨大なクラスタを構成している。Opteronに制限が存在するのは、キャッシュ・コヒーレンシーの問題があるからだと、Insight 64のアナリストNathan Brookwoodは述べている。データはメインメモリに格納されると同時に、キャッシュと呼ばれるそれぞれのプロセッサに埋め込まれたメモリに溜め込まれる。プロセッサがメモリからデータを取り出した後、データが他のプロセッサに変更されていないことを確認するため、コンピュータ内の他のすべてのプロセッサのキャッシュをチェックする必要がある。Opteron搭載システムでは、一貫性を確保するために他の個々のプロセッサに対して信号を送出する。
2-wayないし4-wayのマルチプロセッササーバならびに、4-wayサーバの標準的なクラスタであれば、その内部を流れるトラフィックはそれほど問題にならない。だが8-wayサーバとなると、その問題が表面化してくる。
Horusチップは、搭載されたボード上で4つのプロセッサのキャッシュモニタとして動作し、これらの問題を解決している。例えば16-wayのOpteronサーバでは、4組の4-wayプロセッサにそれぞれアサインされた4つのHorusチップ間で情報をやりとりすることで、キャッシュの一貫性の問題を回避できる。
Newisysは、Verari Systemsなどの他の企業に代わってサーバの設計や製造を行っている企業で、2003年にSanmina-SCIによって買収された。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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