SAPジャパンは26日、ビジネスプロセスを連携するツールであるSAP Exchange Infrastructure(SAP XI)の最新版となるSAP XI3.0の出荷を開始すると発表した。「前バージョンではSAPアプリケーション間の接続が主な機能だったが、SAP XI3.0では異種システムアプリケーション間の連携機能を強化した」と、SAPジャパン ソリューションマーケティング本部 NetWeaver ディレクター 菅沼隆太氏は説明する。
SAP XI3.0は、同社の統合アプリケーションプラットフォーム製品であるSAP NetWeaverの構成要素のひとつであるため、これまでも他のSAP製品との接続性は保証されていた。今回実現した異機種システムの連携は、BPM(ビジネスプロセスマネジメント)機能の追加によるものだ。「BPM機能により、アプリケーション間をまたがるプロセスフローの設計や実行、監視が可能になる」と菅沼氏。SAP製品を導入していない企業も販売ターゲットとするため、同社ではSAP XI3.0を単体で導入するための価格体系も用意したという。
SAPジャパン ソリューションマーケティング本部 NetWeaver ディレクター 菅沼隆太氏 |
「前バージョンのXI 2.0で想定されていた接続シナリオは、SAP対SAPが主だった。SAP対SAP以外も一部サポートしていたが、SAP以外の製品同士の接続は全くサポートしていなかった。それが3.0ではすべてサポートされる。これにより、サービス志向アーキテクチャの実現を可能にする」(菅沼氏)
またSAP XI3.0では、ハイテク業界のRosettaNetや化学業界のCEDI/CIDXなど、企業間取引の業界標準に対応した。さらに、mySAP ERPなどを用いてRosettaNetやCEDI/CIDXへの対応を実現するためのビジネスシナリオやデータフォーマット変換のテンプレートも提供している。
SAPでは、サポート体制が充実したこともアピールしている。同社のSAP NetWeaverコンサルタントは10月25日現在で138名。これに加え、今年4月に設立されたSAP NetWeaverコンソーシアムのXI分科会に属するパートナーが70社存在するため、「導入支援サポートも万全」と菅沼氏はいう。
菅沼氏は、ミック経済研究所の調査を基に、EAI/BPM市場が今後も拡大する傾向にあるとしている。なかでも市場の関心はEAIからBPMにシフトしていくとし、「BPM分野においてSAPは、常に業務プロセスを支援してきたことで強みが先行している」という。今後同市場では上位5社がシェアの大部分を占めると同氏はみており、「その上位5社の単年度出荷数において、2007年にはシェア35%を達成したい」と述べる。
具体的な目標として同社では、2005年12月末までの目標出荷企業数を累計40社、2007年12月末までの目標出荷企業数を累計140社としている。「既存顧客のみならず、SAP以外のアプリケーションを導入している企業への浸透を図っていく」(菅沼氏)
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