サンフランシスコ発--携帯電話メーカーのNokiaは米国時間24日、無線通信事業者向けの新製品、Preminetを発表した。この製品を利用すれば、着メロやゲーム、写真つきメールなど、携帯電話向けのさまざまな機能を提供できるようにするもの。Nokiaのこの動きによって、旧敵Qualcommとの間で新たな戦いが始まることになる。
Preminetは、QualcommのBREWと類似点が多い。現在、BREWを利用するキャリアは30社以上にのぼる。
Nokiaは新システムで、BREWアプリケーションの代わりに、Sun MicrosystemsのJ2ME言語で開発されたアプリケーションをサポートする。Nokiaのディレクター、Steen Thygesenは、BREWが選ばれなかった理由について、普及度が格段に違うためと説明している。J2MEは、全世界で17億台ある携帯電話の約3分の1に組み込まれているが、これに対しQualcommが今月発表した推定によると、BREWをサポートする電話機の出荷台数は3800万台だという。
「BREWは、発展の初期段階にある市場にとっては、興味深い、独自のソリューションといえる」とThygesenは述べ、さらに「BREWは、これから参入しようとするキャリアのためのものだ。だが、われわれは長期的な市場向けのシステムを考えている」(Thygesen)
Qualcommの広報担当者は、コメントを控えた。
NokiaとQualcommが前回衝突したのは、2003年5月のことだ。この時、NokiaとTexas Instruments、それにSTMicroelectronicsは共同で、CDMA標準に基づいた携帯電話用チップの開発計画を発表した。QualcommはCDMAで数多くの特許を持っており、同社の収入の大半は、同チップの販売や、チップメーカーに対する知的所有権のライセンスからのものだ。
今回のNokiaの動きにより、無線データ通信市場が脚光を浴びることになる。この市場は現在、通信事業者にとって年間売上高の5%を占めるに過ぎないが、各社はこの数字が最終的には20%まで伸びると考えている。Macromediaの Juha Christensen(無線・端末ビジネス担当社長)によると、データサービスの売上はいずれ音声通話のそれを大きく上回ると考えている。Christensenは24日、CTIA Wireless I.T. & Entertainment 2004のパネルディスカッションで、「音声は脇役に追いやられる」と述べた。NokiaがPreminetを発表したのも、同じイベントでのことだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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