米Sun Microsystemsは米国時間1月30日、携帯電話機でJavaを利用するためのガイドライン、JTWI(Java Technology for the Wireless Industry)を発表した。
Javaは携帯電話機向けのゲーム、着メロ、ビジネスアプリケーションなどに広く利用されている。しかしその展開は、2年間の無償利用期間を通して開発者の手に委ねられてきた。そこでSunはロードマップを発表し、携帯電話機向けJavaの基本原則を確立するつもりだ。今後1年間で追加する機能も示している。
「主要な携帯電話機において、どのようなアプリケーションがいつ利用可能になるか判断するためのより良いビジジョンを提示する」(Sunのシニア・プロダクト・マネージャー、Nicolas Lorain)。2003年末までには、JTWIに従った携帯電話機の第1号が市場に登場すると見込む。
Javaは現在、世界の60%の携帯電話機に搭載されているという。スウェーデンのEricsson、フィンランドのNokia、米Motorolaに加えて、NTTドコモ、英Vodafone、英Orange、米Sprint PCS、米T-Mobileといった主要キャリアがサポートしている。
「無線の新分野に何らかの規則や秩序が加わることを、業界は歓迎しているようだ」と指摘するのは米調査会社Yankee GroupのアナリストのJohn Jackson。「これまでのSunの放任主義的な対応は、Javaの発展にとっては良いことではなかった。ワイヤレス市場は急激に進行してしまった」
JTWIによれば、2004年までにインスタントメッセージなど新たに9種類の機能を追加する計画である。
なおJTWIに完全に準拠した製品を開発するには、Motorola、Nokia、Sun、Tira Wirelessのソフトウェアライセンスを得る必要がある。
今回のSunの動きは、携帯電話機のアプリケーション市場で台頭してきたBREW(Binary Runtime Environment for Wireless)を推進する米Qualcommと、Sunの独壇場を崩そうと狙う米Microsoftをけん制する狙いもある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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