ロサンゼルス発--Microsoftは新しいMedia Centerに追加したさまざまな機能を声高に数え上げているが、実は同社があまり口にしていない事柄こそ最大の変更点かもしれない。その変更点とは、値下げである。
Microsoftはこれまで、Windows XP Media Center Edition(Media Center)の価格を、企業向けのWindows XP Professional Editionよりもさらに高めに設定していた。CNET News.comがつかんだ情報によると、同社は今回Media Centerの値段を変更し、XP Homeより高くXP Proよりも安い設定にするという。
「この値下げは戦略的なものだ。我々は、Media Centerが主流の製品として真剣に受け止められるようにしたいと考えている。これは家庭向けとしては最高のOSだ」と、Windows Client部門で働くプロダクトマネージャーのTom Lammelは述べている。
Window XP Media Center Editionは、これまでPCに同梱される形でしか販売されておらず、2つのバージョンをあわせても約100万コピーしか売れていない。そのため、テレビ番組をコンピュータのハードディスクに録画したいと考えるマニア向けの、主としてハイエンドのマシンに搭載されたニッチ製品だった。Media Centerは他のWindows OSと似ているが、映画や画像、音楽の再生用に別のインターフェースが追加されており、リモコンで操作できる点が異なっている。米国時間12日に発表された2005バージョンは、メインストリームのPCバイヤーをターゲットにした製品だと、同社は以前に述べていた。同社会長のBill Gatesによると、MicrosoftではMedia Center 2005をこれまでのバージョンの4〜5倍は売りたいと考えているという。
Media Centerが多くの消費者を惹きつけるかどうかは、今後の様子を見ないと分からない。だが、コンピュータメーカー各社は今回の値下げを歓迎している。
「主流の製品になれるかどうかは価格次第だ」と、Hewlett-Packard(HP)のTom Anderson(コンシューマPC部門バイスプレジデント)は述べている。
Microsoftは今回の値下げに合わせて、Media Centerの中身に手を加えている。これまでの2つのバージョンにはWindows XP Professionalの全機能が含まれており、それに加えてリモコン操作でテレビや写真を見るための機能が盛り込まれていた。だが、Media Centerの価格をXP Professionalよりも下げたことから、同社はビジネスユーザーがコストを切り詰めるためだけにMedia Centerに乗り換えることのないように、同OSにわずかな機能の変更を加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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