Microsoftはここ数年、リビングルームでの利用を想定した製品を出してきていた。だが同社は今回、家全体をターゲットとするのが最良のアプローチと判断したようだ。
Apple ComputerのiTunesとiPodは大変な人気を博しているものの、人々はもっといろいろな音楽の楽しみ方をしてみたいと考えており、またビデオや写真も音楽と同様に持ち歩けたらいいと考えているとMicrosoftは睨んでいる。
同社会長のBill Gatesは12日(米国時間)、ロサンゼルスのShrine Auditoriumで行われたプレス向けのイベントで、こうした主張を行った。歌手のQueen Latifahの手を借りながら、Gatesはさまざまな新型機器を披露したが、これらの製品はいずれも映画や音楽、ビデオを楽しむためにMicrosoftの技術を利用するものだ。
「我々は、いま1つの生態系を手にしている。さまざまパートナーがおり、複数のプラットフォームがあり、さらには数多くの選択肢が揃っている。単にデバイスが1つあるということではなく、みなさんが今そして将来ほしいと思ういろいろなデバイスがすべてある」とGatesは述べた。
Gatesの発表の中心となったのは、Microsoftの「Windows XP Media Center Edition 2005」だ。既報の通り、このエンターテインメント指向オペレーティングシステム(OS)のアップデート版には、複数のテレビチューナーのサポートなどの新機能がいくつか追加されている。ユーザーがインターネット経由でテレビの録画を予約できる新しいMSNユーティリティも発表された。
この新しいOSが動くPCのなかには、Hewlett-Packard(HP)が9月にマイアミで発表した「Digital Entertainment Center」というスタイリッシュなパソコンなどがある。また東芝やDell、Gateway、ソニーなども、新OSで動作するリビングルーム向け機器やデスクトップPC、ノートパソコンを発売している。
さらに、同OSに関連する数多くの新製品も発表された。セットトップボックスや携帯端末、メディアレシーバーなど、これらの新製品はいずれも1台のWindows XPコンピュータに保存された映画や音楽、写真を共有できるものだ。
Microsoftにとって、これは決して負けられない賭けだ。同社が関与しようがしまいがデジタル革命は進んでおり、同社はもちろんそれに関与することを望んでいる。フィルムカメラはデジタルカメラに、ビデオレコーダーはTiVoに取って代わられている。また、これまでアメリカ人の音楽コレクションといえばCDやアルバムやカセットだったが、今やあわせて100億曲もの音楽がコンピュータのハードディスクのなかに保存されている時代となった。
Media Centerのこれまでのバージョンは約100万部が販売されたとGatesは述べ、この新バージョンはその4〜5倍は売れるはずだと付け加えた。
「我々はMedia Centerをメインストリームの製品に変えようとしている」(Gates)
MicrosoftのWindows Client部門シニアバイスプレジデント、Will Pooleは、「我々はこうした事がら全てに注目しており、市場は熱く、人々の関心も高い」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」