ここ数年間ハイエンド製品にフォーカスした戦略で成功を収めている韓国の大手電子機器メーカーSamsungが今回、ハードディスクの格安メーカーというイメージからの脱却を図っている。
同社で米国内の販売を担当するストレージ製品セールスマネージャーのAlbert Kimは先週、「数年前はわれわれがローコスト製品のリーダーにならなければならないと考えていた。しかし現在はこのような考え方をしていない」と述べた。
同社は現在、直径わずか0.85インチの小型ハードディスクを開発中で、ハードディスク技術で業界の最先端を行くことを目指している。
Samsungは、すでに小型ハードディスクを生産している東芝から知的所有権のライセンス提供を受けている可能性もある。だが、同社はこの製品の開発にたくさんの研究開発費を投資している。この小型ハードディスクは、成長中の携帯電話市場などに向けて開発されている。「Samsungは、自社技術を使ってこれらのハードディスクを開発した」と米国でハードディスク製品担当ゼネラルマネージャーを務めるHenry Hongは述べている。
ハードディスクの総出荷台数という観点では、Samsungはビッグ4(Seagate Technology、Western Digital、Maxtor、Hitachi Global Storage Technologies)の後につけていると調査会社のIDCは述べる。だが、1988年にハードディスクを初めて出荷したSamsungは急速な勢いで成長している。Samsungによると、2002年には1600万台だった出荷台数が2003年には2600万台に達し、63%の成長を遂げたという。同社は今年、4000万台の出荷を見込んでいる。
IDCのアナリストDave Reinselは先日のインタビューで、Samsungは安定したプレイヤーだとコメントしている。同時にSamsungは野心的な面も見せており、「現在よりも重要なプレイヤーになろうとしているようだ」と同氏は述べる。
業界の間では今年、Samsungがハードディスクメーカーを買収してリーダーの座に着こうとしているという憶測が流れていた。だが、Kimはこの憶測を否定し、「根拠のないうわさだ」と述べた。
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