Samsung Electronicsは今週、メモリチップのプロトタイプを2種類披露した。これは同社が今後も回路の集積度を上げていけることを示すものだ。
同社は米国時間20日、60ナノメートルプロセスで製造した8ギガビットのフラッシュメモリチップと、80ナノメートルプロセスで製造した2ギガビットのDDR DRAMチップを披露した。ホストコンピュータの電源を切ってもデータを保持するフラッシュチップは、フラッシュカードや携帯電話で利用されており、DDR DRAMはPCに搭載されている。
両チップとも、各市場の現行モデルよりはるかに多くのデータを保持でき、サイズも小型化されているため、既存チップよりも低コストかつ高性能なものになるはずだ。このフラッシュチップは、家電製品の設計者が1枚のメモリカードに最大16Gバイトのデータを格納できるよう設計されている。16Gバイトのメモリは、DVD品質のビデオに換算して最大16時間分、あるいはMP3オーディオファイル4000曲分(1曲あたり5分換算)に相当する。なお既存のフラッシュカードの容量は最大で4Gバイトだ。
ただし、両チップともにまだプロトタイプにすぎない。チップメーカー各社は今年、90ナノメートルプロセスでのチップ製造を開始したばかりだ(ナノメートルの単位はチップ上のパターンの平均サイズを指す)。80ナノメートルチップの登場は早くても1年以上先で、65ナノメートルチップのデビューは早くても2005年末以降になる。
それでもこの成果は、Intelが自社の製造技術を活用してプロセッサ市場を独占したのと同じ手法で、フラッシュとDRAMの両市場をリードするSamsungが製造技術を進歩させ続けられることを示している。総合的に見て、SamsungはIntelに次ぐ米国第2位のチップメーカーに成長しており、両社はフラッシュ市場で激しく競合している。
さらに、Samsungは携帯端末用プロセッサの製造拡大にも努めており、これにより両社の競争はさらに激しさを増していくことになる。
フラッシュチップの集積度向上に一役買っているのが3Dセルトランジスタ構造だ。3D回路は、米国のMatrix Semiconductorといった他社も採用している。
Samsung Electronicの半導体事業部CEO(最高経営責任者)、Chang Gyu Hwangによると、フラッシュチップは1999年以降毎年集積度が倍増しているという。Samsung社内では、集積度がこれほど速く上がっていることを「Hwangの法則」と呼んでいる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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