日本HP、OpenView新製品で「ビジネスプロセスを可視化」

藤本京子(CNET Japan編集部)2004年10月06日 17時30分

 日本ヒューレット・パッカード(HP)は10月6日、同社の推進するアダプティブ・エンタープライズ戦略の中核となるソフトウェア製品HP OpenViewシリーズに4つの新製品を追加したと発表した。アダプティブ・エンタープライズ戦略とは、企業が激しい変化に迅速に対応し、競争力を高めることができるよう支援するという戦略。今回の新製品は、「システム的な視点のみならず、ビジネスプロセスの最適化までを視野に入れたもの」(Hewlett-Packardテクノロジーソリューショングループ ソフトウェアグローバルビジネスユニット マネージメントソフトウェア部門 バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、トッド・デローター氏)だという。

米HPソフトウェア部門バイスプレジデントのトッド・デローター氏

 今回発表されたのは、ビジネスプロセスを可視化するビジネスサービス管理製品「HP OpenView Business Process Insight(BPI)」、BEA WebLogic Integrationで実装されたビジネスプロセスを可視化するビジネスサービス管理製品「HP OpenView Smart Plug-Ins for BEA WebLogic Integration(SPI for BEA WLI)」、Webサービス統合管理プラットフォーム製品「HP OpenView Management Integration Platform(MIP)」、構成・変更管理製品「HP OpenView Radia(Radia)」の4製品。SPI for BEA WLIとRadiaは12月より、MIPは年内、BPIは2005年上半期より出荷を開始する。

 BPIは、ビジネスの優先度にしたがってビジネスプロセスのパフォーマンスを監視し、最適化するソフトウェア。各業務ステップ上で管理されるビジネス情報(処理件数、金額、顧客情報など)を画面表示することで、ビジネス部門が理解できる形でITインフラ情報を表示する。アプリケーションやデータベースなどのITインフラとビジネスプロセスを関連づけることで、障害時のビジネスへの影響を最小限にとどめることができるという。

 SPI for BEA WLIは、BEA WebLogic Integrationで実装されたビジネスプロセスを可視化し、ITインフラとの相関関係を明らかにするもの。ビジネスプロセス最適化のために、ボトルネックとなるITリソースの状態を特定し、プールされているサーバ容量を再配分するなどの対処が可能となる。

 MIPは、ビジネスプロセスとITリソースの動的な再配分をWebサービスの標準化技術を利用して実現する統合管理プラットフォーム。ITインフラと業務アプリケーション、ビジネスプロセスの連携が、管理インターフェースを利用して容易に行えるという。将来的には、ビジネスプロセスを実行するためのITリソースを、ビジネスの優先度により制御するコントローラ機能も持たせるという。

 Radiaは、ITインフラの変更・構成管理とプロビジョニングを自動で行えるソフトウェア。サーバ、クライアントPC、モバイル機器など全てのデバイスと主要OSに対応する。リアルタイムかつポリシーベースの運用により、差分情報でITリソースのアップデートが可能という。

 デローター氏は、「企業のCIOの役目は変わりつつある。ITインフラのみならず、ビジネスプロセスも変化に柔軟な対応を迫られるためだ。従来の運用管理は主にITインフラを対象としていたが、今回発表した4製品を活用すれば、ITIL(IT Infrastructure Library)をベースにした運用管理を、経営や業務などのビジネス面にまで拡大することができる」と述べた。

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