Hewlett-Packard(HP)は米国時間21日、自社が進めるユーティリティコンピューティング戦略、Adaptive Enterpriseに関して、映画や写真のアーカイブを提供するGetty Imagesとの間で利用契約を結んだことを発表した。
Gettyは、Adaptive Enterpriseの支持を表明した初期の顧客の1つ。HPの幹部は、Adaptive Enterpriseについて、ビジネスプロセスをIT製品と緊密に連携させることで、企業のオペレーションに変化が生じた際にも迅速に対応できるようにするものと説明している。Gettyは、HP製品の採用を通じて、膨大な数にのぼる画像や映画の管理を簡素化するのが狙い。
HPが2003年5月に発表したAdaptive Enterpriseは、ライバルのIBMやSun Microsystemsらの取り組みと似たもので、IT運行コストを下げ、これまでのコンピューティング戦略を水道や電気のようなサービスに再編するものだ。
HPがこの戦略を発表して以来、同社はこの計画が約束するものを、既存製品・サービスを使って、具体的にどう実現するつもりなのかという疑問を投げかけられてきた。同社の幹部は、CEOのCarly Fiorinaを含めて、Adaptive Enterprise戦略に関する計画と目標を定義するよう強く求められていた。この戦略の目標を定義するよう求められると、HPの幹部は、この取り組みの鍵はIT製品とビジネスの目標をより良く同期させることにあると答えていた。
今回のGettyとの契約の金額は明らかにされていない。Gettyは報道資料の中で、HPのProLiantサーバ製品群、システム管理ソフトウェアのOpenView、SANのStorageWorksなどを含む幅広い製品と、関連するコンサルティングサービスに投資すると述べている。このほか、HPはGettyのWebサイトのサポートに必要なインフラも提供する。
Adaptive Enterpriseを打ち出すHPには、この戦略が、顧客の既存のIT投資を使ってビジネスプロセスの変化に対応し、生産性を上げるのに役立つとの考えがある。Gettyの今回の契約は、同社がすでにHPの技術に大きなコミットをしてきたことから、HPのこの理論の真価を問う格好の実験の場となるかもしれない。
シアトルに本拠地を置くGettyのデータセンターには、現在25テラバイトのデータがあり、HPのサーバ、PC、ソフトウェアを使ってこれを管理している。今回の契約では、Gettyはデジタルコンテンツ管理用にノートPCも購入するが、台数は明らかにされていない。
Gettyの幹部は、Adaptive Enterpriseの導入で、各映画会社を含む、さらに多くの潜在顧客が、同社の保存する画像や映画を利用できるようになると期待していると語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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