あるHewlett-Packard(HP)幹部がCNET News.comに語ったところによると、同社は今週、ネットワーク管理システムOpenView向けのID管理用アドオンソフトを発表する予定だという。
OpenView Select Identityソフトウェアは、HPが3月にソフトウェアメーカーTruLogicaを買収したときに獲得した製品に基づくもので、IT管理者がネットワーク上のリソースに対するユーザーアクセスを管理することを可能にする。HPのOpenView Select Access製品に統合されることで、同ソフトウェアはID管理市場に進出する同社初の製品となる。
「30人程度のネットワークを設定して、管理することは誰でもできる。しかし、数千人を管理するとなると、何らかのツールが必要となる」と、HP Services最高技術責任者(CTO)のTony Redmondは述べた。
ID管理製品のリリースは、HPが十分競争できると考えている3つのセキュリティ管理市場の1つへ同社が進出することを意味すると、Redmondは述べた。ID管理に加えて、同社ではいくつかのグループが「Trusted Computingインフラ」構想に取り組んでいるが、これは暗号を使って、データの安全性を確保し、オンライン侵入者に対する防御のレベルを改善するコンピュータを目指すものだ。
HPは、ネットワークに接続されているコンピュータが、最新のオンライン脅威に対し、安全かどうかを絶えずチェックするデジタル免疫システムのような、プロアクティブなセキュリティ管理技術にも投資している。
ID管理市場に進出するという判断をしたことで、HPは、中小ライバルメーカー各社やMicrosoftやSun Microsystemsなどの大手メーカーと競争することになる。
ID管理ソフトウェアは、複数のオペレーティングシステム(OS)に依存する大企業にとって、劇的なコスト削減につながる可能性がある。これらのツールがネットワークに適用されると、各ユーザーは、多数のパスワードではなく、単一のパスワードを管理するだけでよくなる。このような簡素化とパスワードリカバリの自動化によって、ヘルプデスクに寄せられるパスワード失念の問い合わせが減ることになる。HPによれば、このような問い合わせには1回あたり大体14ドル〜28ドルのコストがかかっているという。
さらに、さまざまなシステムやネットワークリソースを運用している企業の場合、これらのツールを使用することで、セキュリティ管理者が各ユーザーの状態を一目で把握できるようになるため、セキュリティ管理業務が簡単になる。たとえば、ID管理を採用したネットワークだと、管理者は解雇された社員や退社した社員のアカウントを簡単に無効にできると、Redmondは述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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