Windowsがつなぐ、PCと家電の融合世界--MS古川氏が講演

永井美智子(CNET Japan編集部)2004年10月06日 19時47分
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 米Microsoftバイスプレジデント兼マイクロソフト執行役 最高技術責任者の古川享氏は10月6日、幕張メッセで開催中のCEATEC JAPAN 2004において、「マイクロソフトのコンシューマ戦略」と題した講演を行った。今後はPCと家電が連動することでさまざまな端末からコンテンツやサービスを享受できるようになると話し、MicrosoftがHewlett-Packardと共同で開発した試作機を使ってデモンストレーションを行った。

 古川氏はまず、市場におけるPCの現状を紹介した。デジタル家電の登場によってPCの存在感が下がっているとも言われるが、古川氏は「日本電気大型店協会(NEBA)の2004年4月度の販売実績を見れば、PC関連が売上規模で最も大きい」と反論する。同氏の示したデータによると、販売実績のうち13.19%がPC本体、9.71%が周辺機器だったという。これに対し、現在注目を集めているテレビの売上高は10.1%に過ぎない。「家電販売のチャネルでもPCが売上に占める割合は大きい。PCメーカーだけでなく販売店のためにも、PCはこれから新たな役割を演じていく必要がある」と古川氏は言う。

 PCは現在、テレビチューナ内蔵型など家電の機能を取り込むようになっている。一方で、DVDレコーダなどの家電はHDDを内蔵するなど、PCの機能を盛り込むようになっている。古川氏は、これらの流れについて「PCと家電がお互いの技術を利用しつつ、刺激しあうトレンドが生まれている。PCと家電の両方で同じ技術を利用することで、HDDなどの部品コストが下がる。また、MPEG-4など新たな動画圧縮技術も生まれている」と歓迎の意向を示す。さらに「今後はPCと家電が相互に影響を与え、お互いを連携させる試みが始まるだろう」とした。

 MicrosoftはPCと家電の融合を目指し、さまざまな取り組みを進めているという。その一例が同社の動画圧縮技術VC-1の標準化活動だ。VC-1はもともとWindows Media Video 9という名称だったが、業界に広く採用を呼びかけるためにあえて名称を変更したのだという。現在は映画テレビ技術者協会(SMPTE)に対して標準化を働きかけており、次世代ディスクのHD DVDやBlu-ray Diskの再生専用ディスクBD-ROMにおいて採用が決まっている。

 また、同社は家電とPCの相互接続性確立を目指す業界団体Digital Living Network Alliance(DLNA)にも幹事企業の一員として参画している。古川氏はこの点について「Microsoftの標準化に対する関わり方が変わってきている。これまで独自技術にこだわり、他社に自社技術を採用するよう呼びかけてきた。しかしDLNAでは標準化活動に参加し、他社と同じ立場で共に標準技術を検討し決めていくアプローチを取っている」と話し、他社との連携を強調した。

PCと家電の連携デモを披露するマイクロソフト執行役 最高技術責任者の古川享氏

 会場で行われたデモンストレーションでは、PCと家電が連携することで、利用者は端末の固有機能を意識することなくサービスを享受できるという未来図が示された。HPと共同で制作したという試作機では、PCを操作するリモコンに指紋認証が搭載され、操作するユーザーの好みの音楽リストをPCが自動的に準備していた。また、IP電話がかかってくるとテレビに発信者の情報やスケジュールが表示されるといったデモも行われた。古川氏は「これらはすべて現在ある技術を組み合わせるだけで実現可能だ。日本のハードウェアメーカーやソフトウェアメーカー、コンテンツプロバイダーなどとともに、新しい世界を切り開いていきたい」と話し、講演を締めくくった。

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