家庭内のホームサーバやPCに保存されたコンテンツを、ネットワークを経由してさまざまな家電から操作し、視聴することができる--ソニーや松下電器産業、米Microsoftなどの大手企業は今、このような世界を実現するための取り組みを進めている。
デジタル機器の相互接続性を確立する業界団体、Digital Living Network Alliance(DLNA)は10月5日、同団体の取り組みを紹介した。また、同日より幕張メッセで開催中のCEATEC JAPAN 2004では、DLNAのガイドラインに準拠した製品を各社が展示した。
NECのノートPC「LaVie T」(参考出品)。同社が開発したMediaGarageというソフトを利用してほかの機器に保存されたコンテンツを再生できる |
DLNAは2003年6月にソニーや松下、Microsoftなど国内外のデジタル家電・PC・モバイル機器メーカー17社が集まって発足した非営利団体で、2004年6月に名称をDigital Home Working Group(DHWG)から変更している。現在は設立メンバーも含めて182社が加盟している。
2004年6月にはガイドライン バージョン1.0を公開した。これはメディアサーバと、テレビなどのコンテンツ再生機器に関して設計ガイドラインを定義したものだ。DLNAでは新たに規格を作るのではなく、すでにオープンスタンダードとして広く利用されている規格の中から選定する方法を取っているため、非常に短期間でガイドラインが策定できたとDLNAのチェアマンを務める米Sony ElectronicsのバイスプレジデントScott Smyers氏は話す。バージョン1.0では以下のように規定された。
松下電器産業の「TV Client」(参考出品)。メディアサーバからMPEG2の動画などを再生できる |
今後はGIFやMP3、MPEG4といったフォーマットに対して検討を行うとともに、携帯電話/PDAなどの携帯端末に関するガイドラインも定めていくとしている。
DLNAではガイドライン準拠製品同士の相互接続性をテストする体制を整え、2005年中盤には認証ロゴの発行を行う予定だ。CEATECではソニー、松下、NECなど各社からガイドラインに対応した機器の試作機が展示された。ほとんどの製品は技術展示の段階にとどまっていたが、ソニーのVAIO type Xなど一部の製品は実際に販売が予定されているとのことだ。
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