商用検索の草分け的存在であるOverture Servicesの生みの親Bill Grossが、またしてもウェブ検索分野でホームランを打とうと狙っている。
有名なベンチャーキャピタル企業Idealabの創業者で最高経営責任者(CEO)でもある同氏は、米国時間5日にサンフランシスコで開催される第1回「Web 2.0 Conference」で新しい検索事業について発表する予定だ。また、その一方でIdealabは、オンラインのイエローページとソーシャルネットワーキングを結ぶ、新しい地域向けサービスに資金提供をしている。
「Insider Pages」というこのウェブサイトには、人とのつながりを求めるユーザーがメンバー登録している。ユーザーは同サイトを利用して、他のメンバーが登録した地元のショップやサービスに関するお薦め情報を探し出すことができる。 ロサンゼルス在住者だけを対象に実験中のこの無料ウェブサイトは、Friendsterのようなソーシャルネットワーキングサービスに、Craigslistのような地元感覚を吹き込むことで新しい雰囲気を作り出している。
Idealabが完全に所有し、資金提供しているInsider Pagesは、まだ一般には公開されていない。しかしInsider Pagesの最高経営責任者(CEO)で創業者でもあるStuart MacFarlaneは、2005年前半には同サービスを完全な形で、他の都市向けにも提供していく計画だと述べた。
Grossが1998年にOverture(前身はGoTo.com)を設立して以来、Idealabはウェブ検索分野における重要な存在であると見なされてきた。同氏は当時の反対意見に逆らい、検索結果が表示されるページに広告を掲載できる権利を競売にかけて販売し、インターネット検索を商品として扱うようになった。このビジネスモデルは、その後、検索大手のGoogleに採用され、オンライン広告の流れを変える最大の要因となった。有料検索で多額の利益をあげるYahooは昨年、16億3000万ドルでOvertureを買収した。
また、Insider Pagesによって、人々が新しい友人や出会いを求めて登録するオンラインソーシャルネットワーキングにより重点を置いた新しいビジネスモデルが確立される可能性もある。Insider Pagesは、ユーザーが各種サービスに関する信頼あるアドバイスを見つけ出すのを支援することで、ソーシャルネットワーキングを価値あるものにしようとしている。それはまた、広告主にとっても価値あるサービスになることを意味していると、MacFarlaneは述べた。
「地元の業者を選ぶときに、最も重視されるのは個人から寄せられるお薦め情報だ。なぜならば、実際の社会は人と人のつながりで動いているからだ」と、MacFarlaneは述べた。同氏は、Idealabで2年半仕事をしたのちに、Insider Pagesを別会社として新設した。
Insider Pagesは検索結果を表示するページの最上位に広告スペースを設け販売する予定だ。課金体系としては、広告主のサービスが利用された場合のみ支払いが発生する「ペイパーリード(pay per lead)」モデルが採用される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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