オーバーチュア、有料検索エンジンの懐疑論者たちを見返す

 インターネット起業家Bill Grossが1988年に有料検索エンジンのOverture Servicesを創設した際、数多くの質問を浴びたが、その大半はGrossの正気を疑うものだった。

 なぜ今検索エンジンを立ち上げるのか。有料の検索結果と無料の検索結果をどのように融合するつもりか。クリック1回当たり1〜2セントの料金で、どう利益を上げるつもりなのか。

 Grossは自分を批判した人々について、「皆、極めて懐疑的だった。我々が狂ったと思ったに違いない」と語る。

 5年後のいま、GrossはeToysやオンライン化粧品専門店のEve.comなど、数々のドットコム企業への投資に失敗した、自ら率いるインターネット・インキュベーター、Idealabの批判者に対し、Overtureを強力な反証として示すことができる。米Yahooが14日(米国時間)、Overtureを16億3000万ドルで買収した。これは、ウェブ上のヒット数を現金に買える実行可能かつ望ましい手段として、有料検索モデルを認めた最大級の支持といえる。

 現在存続しているほかのドットコム企業と異なり、Overtureはまず利益を出し、次にYahooの買収ターゲットになるという、ゆっくりだが着実な道を歩んできた。

 有料検索エンジンの先駆けとも言える同社は、設立当時、各方面、とりわけ有料検索モデルによって、ウェブの自由な情報ハブが傷つけられることを懸念した純正主義者たちから批判を浴びた。消費者保護活動家のRalph Naderをはじめ、多くの批評家たちが、有料検索会社はウェブサーファーたちを惑わせていると非難した。ある有力な技術コラムニストは、1988年に発表した検索エンジンの比較で、Overtureの有料モデルは結局「役に立たず歪められたヒットの一群」となるだろうと語った。

 しかし、Overtureは決して焦ることなく、ほかのドットコム企業のセールスマンたちが、当時全盛だったバナー広告を声高に宣伝し、アイボールやブランディングを細切れに売り歩いくなかで、自社のサービスのほうが宣伝効果が大きいと広告主たちを確信させていった。Grossによると、設立1年でOvertureは5000社のスポンサーを獲得し、一部のより革新的な広告主グループの間で、正当なサービスとして認められる雰囲気が生まれた。また、その後の株式公開によって、業務拡大のためのさらなる資金を得た。

 そして最後に、MSN、AOL、Yahooといった有力なインターネット企業が販売パートナーとなったことで、Overtureは幅広い支持を得たと業界アナリストたちは語っている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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