Hewlett-Packard(HP)は、Sun Microsystemsと同社社長のJonathan Schwartzに対し、HP版Unixに関する「事実に反し、誤解を招く記述」の掲載を中止するよう正式に申し入れた。 だが、Sun側には撤回する様子は見られない。
HPは米国時間9月28日にSunに書簡を送り、HPの採用するチップが主な原因となってHP-UXは消える運命にあるとしたSunのコメントを非難した。HPは自社の戦略が妥当なものであり、Sunの主張には何の根拠もないとしている。HPのBusiness Critical Systemsグループでマーケティング担当バイスプレジデントを務めるDon Jenkinsはインタビューに応え、「われわれは、HPが長期にわたってHP-UXをサポートしていくつもりであることを、わが社の顧客に知ってもらいたい」と述べた。
「Sunが事実を確認していれば、彼らは自らの発言を裏付けられなかっただろう」とJenkinsは述べ、さらに「HPとしては積極的な議論は構わないが、しかし意図的に顧客(やメディア)の誤解を招くやり方は適切とは思えない」と付け加えた。
Sunの最高マーケティング責任者(CMO)であるLarry Singerは、HPの書簡で問題とされているのは、Schwartzのブログでの発言、Sunのウェブサイトに掲載されたSingerの意見、そしてあるオンライン広告だと語った。しかし米国時間4日に、Sunがこれらの内容を差し替えるかどうかについて尋ねられたSingerは、「それはない」と答えた。
Singerは、HP-UXの寿命を巡るSunの主張は、市場の現実に基づく結論から導き出したもので、Sunはそれを支持するとした上で、HPは人員補充やサポートを計画しているようだが、それでも「HP-UXは終わったと確信している」と語った。
不満の表明
この論争は、企業が一般に向けて直接不満を表明した結果生じる些細な言い争いを浮き彫りにしている。IBMがJavaソフトウェアのソースコード公開を求めた公開書簡を配布したときのSunも、上品な対応はできなかった。また、SchwartzがRed Hatを攻撃した際には、ソフトウェア特許やオープンソースソフトウェアの問題に関してRed Hatから報復攻撃を浴びた。
同時に、マーケティング関連の提携がこのような言い争いを白紙に戻す場合もある。数年前からMicrosoftを猛烈に非難してきたSunも、自社サイトにスペースを割いてMicrosoftのCEO(最高経営責任者)Steve Ballmerの「独占」インタビューを掲載している。
SunのSingerは、今回のHPとの論争に関して、HPは自社が下したSunについての結論を触れ回っていると語った。Singerによれば、HP最高経営責任者(CEO)のCarly Fiorinaは見込み客と会うと、Sunの株価下落を示すスライドを見せつけながら「Sunは完全に過去のもので、同社が倒産することは誰もが知っている」と顧客に話している、と語った。
だがJenkinsは、HPはこのような攻撃でも事実をふまえているという。
「Sunの株価の推移は正式な記録であり、我々が顧客にその点を指摘することが(Singerの)気に入らなくてもしょうがない,」(Jenkins)
しかしJenkinsは、Sunの攻撃は「通常の商慣習の域を通り越している。SunはSolarisを救うために死に物狂いになっているのだと思う」と語った。
Sunは、HP-UXの顧客が同社の営業部隊の格好の標的になると考え、マーケティング攻勢を仕掛けている。HPは最も普及したHP-UX用の基盤であるPA-RISCチップシリーズの製造を中止し、サーバ市場で明確に力を付けたx86チップにHP-UXを移植せず、これらの顧客を見捨てようとしている、とSunは主張する。
HPでは数年前から、PA-RISCサーバからIntelのItaniumサーバに乗り換えるようHP-UXの顧客に呼びかけている。HPは同時に、やはりフェーズアウトされるCompaqのTru64 Unixが持つハイエンド機能による同OSの強化も進めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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