新興企業のEmberは先週、2500万ドルのベンチャーキャピタル資金を獲得した。同社は、低コスト・低消費電力の無線通信規格ZigBeeをサポートするチップを開発している。
今回の資金調達は、Microsoftの共同創業者Paul Allenの投資グループVulcan Capitalの主導で行われた。これにより、Emberが調達した金額の合計は5300万ドルに達した。
Emberはさらに、約30年前にイーサネットを発明したBob Metcalfeが同社の会長に就任したことも発表した。Emberには、MetcalfeのPolaris Venturesグループも既に同社に投資している。
ZigBeeの策定には、HoneywellやInvensys、三菱電機、Motorola、Philipsなど、多数の主要IT企業が参加している。同規格の支持者は、自己回復および自己設定可能な無線ネットワーク作りの一環として、日常的に利用する膨大な数のデバイスがインターネットに無線接続されるようになる、と主張する。
Vulcan CapitalのディレクターSteve Hallは声明を出し、「毎年80億台以上のマイクロコントローラが製品に組み込まれているが、そのなかでネットワークに対応しているのは2%以下だ。企業各社がマイクロコントローラを使ってネットワークを監視/制御することのメリットを認識するようになりつつあるなか、これはEmberにとって大きなチャンスを意味する」と述べた。
ZigBeeは、各社がすでにサポートを取りやめた無線規格HomeRFから発生したもので、HomeRF Liteと802.15.4規格を組み合わせる。802.11b仕様や電子レンジ、コードレス電話と同じ2.4GHz帯の周波数帯域を16のチャネルに分割して利用する。
1つのネットワークに最大255のデバイスが接続できる点や、最大30メートルの伝送距離、最高250kbpsのデータ転送速度などが規格に盛り込まれている。データ転送速度は11Mbpsの802.11bや同1MbpsのBluetoothより低速だが、消費電力は大幅に少ない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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