米Vulcan Venturesは、現在のノートPCをさらに小型化しようと構想を練っている。
米Microsoftの共同創業者、ポール・アレンが設立した投資会社Vulcan Venturesは、「Consumer Electronics Show(CES)」にて両手サイズの小型ノートPCのデザインを展示している。
Vulcanのテクノロジーアナリスト、マイケル・アゴスティーノによると、同社はこのデザインと関連ソフトウエアを大手PCメーカーにライセンス供与するため交渉中で、ベータモデルと実際の製品を今年後半には大手PCブランドより発売したいとしている。価格はミッドレンジのノートPCと同程度になる見込み。
このデザインは、アレンが18ヶ月前に思いついたものだとVulcan社リサーチプログラム部長のロッド・フレックは言う。その時点で、アレンはチップやその他部品の性能が真のポータブルデバイスに詰め込めるレベルまで向上したと確信したのだ。
「数年前に始めていたら、CPUの性能もハードディスク容量も十分ではなかっただろう」とフレックは言う。
このミニPCだが、5.8インチのスクリーンで800x480の解像度を備えており、20GBのハードディスク、無線ネットワーク、3〜4時間持続可能なバッテリーが内蔵されている。OSはWindows XPで、Microsoft Officeなどの標準的なPC用アプリケーションが付属。これら全てが約1インチ(2.54cm)で約1ポンド(0.45kg)という、ペーパーバックの小説本と同じような大きさの中に詰め込まれている。
アゴスティーノによると、これはモバイル環境のビジネスマンに便利さと携帯性を提供するものだという。米Research In Motionの電子メール専用デバイス、BlackBerryのようなものだが、今回の製品には機能を絞り込むといった妥協点はない。
「現在の標準的なノートPCは常に持ち歩くには重すぎる。その一方でPDAはアプリケーションが限定されており、機能も絞られている」とアゴスティーノ。
VulcanはPCを自社で生産する予定はないが、PCメーカーにデザインとソフトウエアをライセンス供与し、メーカーは独自のカスタマイズを行う予定だという。同社では、今年のクリスマスシーズンに向けて製品を発売する予定で、価格は1,200ドルから1,500ドルとなる見込みだ。
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