オンラインオークション最大手のeBayが、大手レコード会社のコンテンツを販売するサービスで、音楽ダウンロード市場に参入しようとしている。
このデジタル音楽サービスは、PassAlong Networksという新興企業が運営するもので、米国時間23日に正式にデビューした。同日に営業を開始したPassAlongは、まだ始まったばかりのeBayの音楽販売サービスで、メジャーレーベルの曲を扱う初めての企業だ。
PassAlong(本社:テネシー州フランクリン)は、EMI Groupやソニー、BMG、Universal Music Group、Warner Music Groupといった一流レコード会社の全楽曲をダウンロード販売する権利を保有している。同社は自社サイトと、eBayの中に新たにできたセクションの両方で音楽ファイルを販売していく。
米国時間22日夜の時点で、PassAlongは、歌手のAvril Lavigneと電話で話せる権利をオークションに出品しているだけだった。しかし、同社CEO(最高経営責任者)のDave Jaworskiによると、同社は今週末までに両サイトで合わせて約20万曲を提供するという。同氏はまた、PassAlongが50万曲を超える楽曲を販売する計画もあると述べている。
「eBayのコミュニティは、信頼性が高く安全なビジネス環境を期待するようになっており、われわれは音楽ダウンロードに関してもこれと同じ品質のサービスを提供したいと考えている」とJaworskiは語り、さらに「eBayと協力しながら、著作権で保護されていない違法なピア・ツー・ピアのファイル共有ネットワークとは正反対のサービスを消費者に提供する」と付け加えた。
PassAlongのサービスは、ほかの多くの音楽ダウンロードサイトとは異なっており、たとえば代金を支払った顧客には他者との音楽ファイルの共有が認められている。また、他の利用者が勧められたコンテンツを購入した場合には、それを勧めた顧客に対して、さらに楽曲を購入する際に割引を行うなどの特典が与えられる。
PassAlongのサービス開始により、eBayはデジタル音楽販売の活性化に取り組む計画で、最初の重要な一歩を刻んだことになる。eBayが現在進めている音楽ダウンロード市場のベータテストは、7月中旬の立ち上げ以来ほとんど利用されておらず、業界の観測筋は同プロジェクトの進捗状況に疑問を投げかけていた。
つい最近まで、eBayのDigital Downloadsセクションでは、Warner Brosの出品するGreen Dayというバンドの曲を元にした携帯電話の着メロ集しかオークションにかかっておらず、また自らの作品を販売するインディーズ系のミュージシャンもただ1人しかいなかった。
eBayは、オンラインでの音楽販売ビジネス参入の手始めとして、あらかじめ承認を与えた企業やミュージシャンらに音楽のダウンロード販売を認めている。
「これは、われわれが継続中のパイロットプログラムの一部だ。eBayのコミュニティはわれわれがデジタル音楽ダウンロードの売買を行うための市場として相応しいかどうかを確かめているところだ」と同社広報担当のHani Durzyは述べている。
今回のPassAlongに関する発表があるまで、eBayが過熱するデジタル音楽販売市場に進出する計画を進めているとの憶測が、何週間も飛び交ってきていた。同社ではApple ComputerのiTunesやMicrosoftのMSN Musicといった既存のサービスと競争していきたいと考えている。なお、AppleのiTunesはすでに1億2500万曲以上を販売しており、またMSN Musicは今月に入ってテスト版が始まったところだ。その他にも、Napster、ソニー、RealNetworks、Yahooなど、たくさんの企業がこの市場に参入する計画を実施/表明している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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