米RealNetworksは26日(米国時間)、Apple Computerがこれまで厳重に管理してきた技術に関する機密を解明したことを明らかにする。これにより、RealNetworksのオンラインストアで購入した音楽はAppleの人気デジタル音楽プレイヤー「iPod」で再生可能となる。
RealNetworksは、より広範な種類のソフトウェアのリリースを予定しており、今回発表されたソフトはその一部。これらのソフトを利用することにより、同社のオンラインストアで販売されている音楽をiPodや、Microsoft製品に対応したiPodの競合製品など、多種多様な携帯機器で再生できるようになる。RealNetworksは今年1月から同社のデジタル音楽ストアで楽曲の販売を行ってきたが、これまでは、同社が扱う音楽ファイルをごく少数の携帯機器でしか再生できなかった。
RealNetworksによると、今回発表された新ソフト「Harmony」は、Appleのオンライン音楽ストア「iTunes」で使用されているプロプライエタリなコピー防止技術を模倣したものということで、物議をかもすのは必至だ。AppleはこれまでiPodとの互換性を求める企業へのライセンス供与を拒否しており、RealNetworksもiPod対応ソフトをリリースするに当たり、Appleの許可を得ようとはしなかった。
RealNetworksの最高戦略責任者(CSO)Richard Wolpertは、「(今回のリリースは)われわれが2年前に行った別種フォーマットに関する決断を発展させた当然の結果だ」とし、さらに「われわれは、消費者の選択肢を増やすことで、この先、独自のフォーマットに勝てると考えている」(Wolpert)
これまではデジタル音楽フォーマット/機器同士の互換性がなかったため、デジタル音楽をめぐる状況は混迷を深めつつあったが、RealNetworksによる今回の新ソフトのリリースはそんな現状を打開するための第一歩といえる。
レコード会社や消費者団体は、IT企業が携帯機器を特定の音楽フォーマットと結びつける決定を下したことに対し、強く批判してきた。従来のCDやDVDは、メーカーを問わず全てのプレイヤーで再生できたが、音楽ダウンロードは特定ブランドの機器でしか再生できない、というのが彼らの主張だ。
実際、Appleの同意は得ていないものの、iPodとの互換性を実現するための独自の方法を見出したRealNetworksに対し、レコード会社数社の幹部が賛辞を送った。
その中の1人であるUniversal MusicのeLabs部門でプレジデントを務めるLarry Kenswilは「今までの音楽ダウンロードを取り巻く環境は、ある店で購入したCDを別の店で購入したCDプレイヤーで再生できないという状況にほぼ等しかった」と述べ、「この状況の改善を促し、音楽ダウンロード業界の全ての人々および企業に対して普遍的な相互互換性を実現するよう訴える取り組みを進めているRealNetworksにわれわれは賛辞を送る」と語った。
この件についてAppleにコメントを求めたが、返答は得られなかった。
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