サン・マイクロシステムズは21日、安全な個人情報管理システムの構築・運用を実現するソフトウェア新製品として、Sun Java System Identity Managerを同日より販売すると発表した。同ソフトウェアにより、ロール(職務)とルールに基づいて、人事管理システム、受発注管理システム、メールシステム、顧客管理システムなど、企業の中に存在する様々なシステムで別々に管理されているIDを統合的に管理できるようになるという。
Identity Managerは、サンが昨年11月に買収したWaveset TechnologiesのID管理製品をベースに機能強化を行ったもの。米国ではすでに約100社で採用されており、日本国内では伊藤忠テクノサイエンスでの導入が決定したという。
サン・マイクロシステムズ 常務取締役 営業統括本部長の末次朝彦氏 |
「社内で誰がどういう権限を持ち、どのようなデータにアクセスできるのか、企業戦略と整合性を保ちつつ管理することは非常に重要だ。企業を去った者のアクセスは認めてはならないし、人事異動などでも部署に合ったデータのアクセス権を持たせなくてはならない。これをシステム管理者がすべて行うのは、企業規模が大きくなればなるほど困難である。Identity Managerは、このようなID管理を効率的に、かつ自動的に行うことができるものだ」と、サン・マイクロシステムズ 常務取締役 営業統括本部長の末次朝彦氏は説明する。
同ソフトウェアの具体的な機能としては、様々なシステムやリソースに対するアカウントアクセスの管理、ユーザーアカウントリストの安全な管理、組織内外でのアクセス権限の許可・管理・失効などの機能統合など。同製品は、ID管理が困難になりがちな大企業および団体を主なターゲットとし、3000人で利用する場合の標準価格は984万5000円(税別)からとなる。なお、同製品はSun Java Enterprise Systemの中には含まれていないため、価格帯やバージョンアップサイクルは異なるが、将来的には同システムの中に含まれる可能性もあるという。
対応OSは、Solaris 8および9以降の各リリース、Red Hat Enterprise Linux AS 2.1、Microsoft Windows 2000 Server/Server 2003、HP-UX 11i v1、IBM AIX 4.3.3および5.2となっている。
セキュリティ対策の3本柱を提供
末次氏は、セキュリティ対策における重要なポイントとして、保管、認証、ID管理の3点をあげている。今回の新製品Identity ManagerはID管理を担う製品だが、サンでは保管および認証機能を提供する製品として、Sun Java System Directory Server、Sun Java System Access Manager(旧称Sun Java System Identity Server)を用意している。Directory Serverで個人情報の格納を効率的に行い、Access Managerでアクセス管理を行う。
「CERT(コンピュータ緊急事態対策チーム)に報告されるインシデントの数は年々増え続け、国内でも個人情報漏えい事件が相次いで発生している。さらに2005年4月には個人情報保護法が全面施行され、各企業での対応が必要となっている」と末次氏は述べ、サンの提供する製品が企業における個人情報保護対策の解決につながるとした。
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