音楽業界側からの1つの提案は、CDがPCのトレイに挿入されるとOSがそれを認識し、あらかじめレコード会社がCDに指定した利用規則を適用するという仕組みだ。この利用規則には、たとえばコピー可能な回数制限や、リッピングされたファイルに対するルールなども含まれるだろう。
現在のコピー防止技術はまだ不完全で、CD自体にソフトウェアが含まれている場合が多く、OSとの情報のやり取りがほとんどない。そのため、こうした技術が簡単に迂回できてしまうこともしばしばあり、また消費者にとって非常に煩わしいものとなっている。
Munnsによると、Microsoftとの最新の交渉は、レコード会社側から持ちかけたものだという。また別の情報筋によると、Microsoftはレコード会社側の要求を検討することに合意したが、一方で各社の要求内容を一致させるよう要求したという。
音楽業界側は、EMIなどが音頭をとり、その後少なくとも1カ月にわたって大手レコード会社や大規模な独立系レーベルらと交渉しながら、各自の希望事項リストを作成した。さらに、全米レコード協会(RIAA)の関係者らは9月20日(米国時間)にMicrosoftと会合を開き、要求内容を議論する予定だと複数の筋が述べている。
各レコード会社は、Microsoft以外のコピー防止技術もLonghorn上でWindows Media独自のDRMツールと同程度にユーザーに意識されずに機能するようにすることを求めており、またLonghornによるコピー防止機能つきCDの扱い方法が、消費者の反発を買うことがないように確実を期したいと考えていると情報筋はいう。
「正しい方向に進めば、Longhornはこの動きを大きく推進させるだろう。しかし間違った方向に進めば、関係者全員をひどく苛立たせることになるにちがいない」と両者の交渉に詳しい筋は述べている。
Microsoftも各レコード会社に対し、消費者に攻撃的もしくはスパイウェアと関連していると思われるような技術はサポートしたくないと伝えたという。
情報筋によると、双方とも正式な決定はまだ何も行っていないという。今週の会合は、Longhornが完成に近づくなかで、Microsoftと音楽業界との一連の話し合いのスタートとなると見られている。Microsoftは今のところ、音楽業界各社との協力に非常にオープンだとMunnsは述べている。
なお、Microsoftの関係者は、この件に関するコメントを差し控えた。
Munnsによると、音楽業界側のこのコピー防止機能に関する取り組みはMicrosoftのOSに限られたものではないという。各レコード会社はAppleともすでに話を始めており、業界のまとめた希望リストから生まれたリクエストのフレームワークはOSやDRMツールを開発するどのメーカーにも提供されるだろうと述べた。
「われわれ音楽業界の運命ーーつまり、消費者に何を提供するか、コンテンツをどう保護するかといった事柄は、IT企業各社や彼らが提供するプラットフォームと分かちがたく結びついている。われわれはIT業界と話し合いを続けなくてはならない」と、RIAA会長のCary Shermanは語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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