Oracleが、将来有望なコンテンツ管理ソフト分野に今年中に参入する見通しだ。
調査会社OvumのアナリストAlan Pelz-SharpeはCNET News.comに対し、Oracleが12月のOracle OpenWorldカンファレンスで「Tsunami」というコード名の新製品を発表する予定だと語った。Oracleの顧客や社員へのインタビューを根拠にこの予測をたてるPelz-Sharpeは、同製品について、自社製ビジネスプロダクトスイートにエンタープライズコンテンツ管理(ECM)機能を統合したものになるだろうと述べた。
「Oracleは長い間、非構造化データ市場に着目してきた。実際に、彼らは膨大な時間を投じてひっそりとECM機能の開発を進めていた」(Pelz-Sharpe)
一般的に、ECMソフトウェアは、中央のサーバに格納されたドキュメントや画像、電子メールをはじめとする非数値コンテンツにアクセスするためのカタログ化や管理を行うサーバアプリケーションで構成されている。このようなコンテンツは、Oracleの主力データベース製品が扱う構造化され、数値化されたデータに対して「非構造化データ」と呼ばれる。
Oracleのある幹部は米国時間16日、この計画を認める一方で、詳細については多くを明らかにしなかった。
OracleのバイスプレジデントGreg DohertyはCNET News.comに対して出した声明の中で、「われわれは、コンテンツ管理機能を大幅にアップグレードできるよう、非構造化データの管理に関する専門知識を深めてきた。この製品は将来リリースされるOracle Collaboration Suiteに同梱される」と述べた。
また、Oracleのある関係者は、同社の計画に関する具体的な詳細については年末までに明らかにすると語っている。
データベースで築いた独占的立場をさらに強化してライバルの動きに対抗する目的で同社はECM市場に参入してくるだろうというのは、ここ数年の一般的な見方だった。たとえば、ライバルのIBMは自社のデータベース/コラボレーション製品へのコンテンツ管理機能統合を徐々に進めている。
Oracleの経営陣は、PeopleSoft買収計画を巡る反トラスト裁判の中で、コンテンツ管理に特化するDocumentumをEMCより先に買収することを検討していたと認めており、OracleがECM市場参入を検討しているとの憶測が間違っていなかったことが確認されている。
しかし、AMR ResearchのアナリストJim Murphyは、OracleがPeopleSoft騒動の渦中であることを考えれば、他の会社の買収に乗り出すよりもECMソフトウェアを社内で開発する方が理にかなっていると語った。
「彼らは、PeopleSoftへの買収提案が真剣なものであることをアピールする必要がある。ほかに注意をそらすようなことは望んでいないはずだ。同社は製品開発を見据えてコンテンツ管理分野で才能や経験のある人材を新たに確保している」(Murphy)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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