IBMがコンテンツ管理ソフトウェアメーカーVeneticaの買収を計画している。これで、同社ソフトウェア部門が2001年以降に買収した企業は18社となる。
未発表のVeneticaの商品が、同社DB2ブランドデータ管理部門の情報統合製品ラインに統合される。この契約は今年の第4四半期に締結される見込みで、契約条件は明らかにされていない。
Veneticaは、ノースカロライナ州シャーロットに本社を置き、業務文書や画像、ウェブページなどを保存するコンテンツリポジトリにアクセスするソフトウェアを販売している。同社のソフトウェアを使うと、コールセンターなどで、過去にやりとりした電子メールや請求書など、別々に保存された顧客情報を統合利用することが可能になる。同社は約50社の顧客を持っている。
IBMは、Veneticaのソフトウェアを、自社製品のDB2 Information Integratorに統合していく予定だ。DB2 Information Integratorは、複数のデータソースに対して同時に検索をかけることを可能にする製品。Veneticaの製品が統合されれば、DB2 Information Integratorを使って、リレーショナルデータベースに格納されたデータだけでなく、ドキュメント文書などの構造化されていないデータにもアクセスできるようになる。
IBMはこれまで、小規模で専門性が高く、自社ソフトウェア部門と提携関係にある企業を買収してきた。Veneticaはこうした条件に合致する。先月はAlphaBloxというデータ解析ソフトウェアのメーカーを買収している。AlphaBloxは、IBMのインフラソフトまたはミドルウェア製品と連携する製品を開発してきた。
今回の動きにより、IBMはコンテンツ管理分野におけるラインアップを強化することになる。コンテンツ管理は、これまで同社が、シェアを拡大したいと語ってきた分野だ。同社はここ3年間で、TarianやGreen Pastureをはじめとする他の文書管理ソフトウェアメーカーも買収している。
アナリストは、コンテンツ管理システムの需要は依然として大きいと述べる。企業顧客は、法的な要件を満たしつつ従業員の生産性を改善するために、自社の業務文書管理能力を向上させたいと考えているからだ。
Forrester ResearchのアナリストPhilip Russomによると、異なるコンテンツ管理システムに分散配置された情報を統合するソフトウェアが、コンテンツ管理市場全体に占める割合は比較的小さいという。コンテンツ管理市場は全体で5000万ドル規模であると推測されている。しかしRussomは、こうしたコンテンツ統合ソフトウェアは今後、情報を複数箇所で保管する企業にとってますます重要になるだろうと言う。
「現状、企業のコンテンツ管理(アプリケーション)は、部課単位、あるいは苦情対応などのような個々の業務単位で構成されている」とRussomはいう。「あと2年もしたら、異なるコンテンツ管理システムを見渡せるようにしたいという企業が増え、こうしたソフトに対する需要が伸びるだろう」(Russom)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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