サンフランシスコ発--Intelは米国時間8日、今後登場してくる2つのチップ技術を披露した。
同社幹部らは、サンフランシスコで開催中の「Intel Developer Forum(IDF)」で、期待の高まっているデスクトップ用デュアルコアプロセッサを公開した。Intelが同チップのデモンストレーションを行なったのは今回が初めて。また、Centrinoワイヤレス技術の次期バージョン「Sonoma」とその後継となる「Napa」の詳細も明らかになった。
IntelのBill Siu(デスクトップグループ・ゼネラルマネージャ)は、同社のデュアルコア・デスクトッププロセッサのデモを行いながら、同プロセッサについてに「デュアルコアは.....ハイパースレッディングをベースに構築されている」と述べた。「かなり大幅な設計変更になり、包括的なアプローチが必要となるだろう」(Siu)
Siuは、Intelが最初のデュアルコアプロセッサを2005年中に発売する予定だと付け加えた。
Intelは既存の企業顧客の需要を掘り起こしつつ新たな消費者市場を開拓する上で、新しいモバイルプラットフォームやワイヤレスノートPC、エンターテインメントPCなどと並んで、デュアルコアチップに期待をかけている。同社は先週、PC用プロセッサなどの製品の需要が予想を下回ったことを理由に、第3四半期の売上予測を下方修正していた。
同社と競合するAdvanced Micro Devices(AMD)では、独自のデュアルコアプロセッサ開発が順調に進んでおり、先週には現在開発中のサーバ用デュアルコアチップを披露したが、IntelはこうしたAMDの追い上げをうまくかわそうとしている。デュアルコアは、新しい製造テクニックを用いることで1枚のシリコン片により多くの回路を載せられるため、主要なチップメーカー各社が進める性能強化に向けた取り組みの中心となっている。
Intelのデュアルコアプロセッサがx86シリーズとItaniumシリーズのどちらになるかについては、業界アナリストらもまだはっきりと把握してはいないようだ。同社lは8日に、両方のデュアルコアチップのワーキングバージョンを披露した。
Insight64のアナリスト、Nathan Brookwoodは、デュアルコア・デスクトップチップのデモンストレーションについて「(今回のIDFで)最も重要なできごとだ」と述べている。
Intelのデュアルコア・デスクトップチップは、現行のPentium 4と同じくNetBurstアーキテクチャをベースとしており、「Grantsdale」(開発コード名)と呼ばれていた915シリーズのチップセットを搭載するマザーボードに取り付けられる。しかしSiuは、デモンストレーション用のデュアルコアチップは試作品だとして、このチップの詳細はあまり明らかにしなかった。
「これは標準的な915プラットフォーム上で動作する本物のチップだ」とSiuは語ったが、このチップが64ビットメモリ拡張技術「EM64T」を含んでいるかについてはコメントしなかった。
IntelのAnand Chandrasekher(モバイル プラットフォームグループのゼネラルマネージャ)は、まもなく登場するノートPC用技術のコード名を明かすなど、基調講演ではさらに積極的な姿勢を見せた。
Chandrasekherは、SonomaバージョンのCentrinoが来年の第1四半期にリリースされる予定で、その後2005年後半にNapaが登場することを明らかにした。同氏によると、Napaには「Calistoga」というコード名のチップセットと「Golan」(開発コード名)という次世代ワイヤレス技術が採用されるという。Intelは先に802.11a/b/gの全ネットワークへの接続を可能にするSonoma用のWi-Fiパーツ「Calexico 2」を発表している。
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