Oracleが7日(現地時間)、サーバソフトウェアの販売を促進する戦略の一環として、中規模企業向けのアプリケーションサーバのリリースを発表した。
ロンドンで開催中のカスタマーカンファレンスOracle OpenWorldで同社は、「Oracle Application Server Standard Edition One」を1プロセッサあたり4995ドル、または1ユーザーあたり149ドル(ユーザーが5人以上の場合に適用)で提供することを発表した。この中規模企業向けのバンドル製品は、1プロセッサあたり1万ドルで提供される既存のアプリケーションサーバと同じものだが、使用可能なサーバがプロセッサを2基搭載したものまでに限られる。
この新しいパッケージには、ビジネスアプリケーションを走らせるアプリケーションサーバや、ウェブ文書を参照したり共有したりするためのポータルソフトウェアが含まれる。
Oracleのアプリケーションサーバ/ツール担当プロダクトマーケティングディレクターRob Chengによると、同社は使用頻度の高いシンプルなポータルアプリケーションを複数開発したという。例えば、少人数のIT担当者しかいない企業でもすぐに使い始められるよう設計された、セールスおよびマーケティング用アプリケーションが例として挙げられる。また、この中規模市場向けバージョンは、インストールと管理を簡単に実行できるように設計されている。
同アプリケーションサーバはJava 2 Enterprise Edition (J2EE) 1.3仕様に準拠している。同氏によると、Webサービスアプリケーションの記述が容易になるJ2EE 1.4仕様に準拠したエディションは、技術プレビュー版のみが公開されており、まだ一般に向けて発売されていないという。
このOracle Application Server Standard Edition Oneは、同社のサーバソフトウェア製品群の販売対象を、大企業以外に拡大することを狙って設計されたものだ。同社はまた、アプリケーションサーバの販売に従事する従業員の数をこれまでの約2倍に相当する420人程度まで増やす予定だ。
同社のアプリケーションサーバおよび関連製品は、ポータルソフトウェアや統合ソフトウェアも含め、企業がビジネスアプリケーションを構築したり稼動したりするための基盤として利用されている。
顧客企業は自社の業務アプリケーションを単一の標準化されたインフラ上で走らせようと考えるようになっていることから、こうしたサーバソフトスイートは以前にも増して戦略上重要な製品と見なされるようになっている。たとえば、パッケージアプリケーションを提供するSAPも、インフラソフトで利益を上げようと、アプリケーションサーバ市場に進出している。
ある市場調査の結果によると、Oracleは競争が激しいインフラソフトウェア市場またはミドルウェア市場において市場シェアを拡大しつつあるという。同社の競合企業としては、BEA SystemsやIBM、Microsoftが挙げられる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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