Intelが来年大量供給すると公約しているデュアルコアチップは、PCの全体的な性能を向上させるほか、たとえばビデオ再生とウェブサーフィンなど、異なるタスクを同時に処理することも可能だ。
「われわれは将来の製品開発に関するすべてのリソースを、マルチコア製品(の設計)に傾けている。これは業界にとって重要な転換点になると考えている」(Otellini)
Otelliniによると、Intelが2006年に出荷するデスクトップ用チップの40%、ノートPC用チップの70%がデュアルコアになり、サーバ用チップでは85%がデュアルコアになるという。
この基調講演の途中で、Intelの企業向けプラットフォームグループのバイスプレジデント、Ahbi Talwalkerが講演に加わり、Intelの次期Itaniumチップ「Montecito」のデュアルコアバージョンを披露した。
Montecitoチップには2つのプロセッサコアがあり、各コアはそれぞれ2つの命令スレッドを同時に実行することができる。TalwalkerはMontecitoプロセッサを4基搭載したWindowsサーバを披露したが、このサーバでは各チップが2コアで合計4スレッドを処理しており、マシン全体では合わせて16の異なるタスクが同時に実行されていた。
現在、デュアルコアチップはハイエンドサーバでは標準的だが、Intelチップが主に採用されているメインストリームのマシンではまだ一般的ではない。IBMは2001年より、Power4サーバにデュアルコアチップを搭載してきている。また、Sun MicrosystemsやHewlett-Packard(HP)は今年に入ってIBMの動きに追従した。
IDCアナリストのJean Bozmanは、デュアルコアチップが有用だと述べている。「コンピュータにとっては、歩きながらガムを噛めるようなものだ」(Bozman)。これは、本来多数のアプリケーションを同時に提供するためのサーバでは特に重要なことだ。
しかしながら、OtelliniはデュアルコアのXeonチップを披露しなかった。同氏はデュアルコアXeonチップの発表時期について詳細を明らかにせず、先週デュアルコアのOpteronチップを発表したAdvanced Micro Devices(AMD)のほうが、技術開発で進んでいるとの発言には怒りを露にした。
「これは競争ではない。コンピュータ業界における大きな変化であり、われわれはこれを競争として見てはいけないのだ」と、Otelliniは基調講演の後の質疑応答のなかで述べた。それでも、デュアルコアXeonの設計はIntelのデスクトップ用デュアルコアチップの設計にもおそらく反映されることから、そのデモンストレーションがいつ頃になるのかは重要だと考えられる。
IntelのデュアルコアXeonに関する計画には各方面から大きな注目が集まっていた。「Intelは、後で撤回する羽目になるのではと考えて、何かはっきりしたことを口にするのを恐れているようだと、私にはそう感じられた。このことから、同社のロードマップにはまだ流動的な部分が残っていると考えられる」とIlluminataのアナリスト、Gordon Haffは述べている。「AMDがデュアルコアチップを先に市場に投入するのを、彼らはただ傍観している」(Haff)
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